では、こうした中国の巧妙かつ執拗な侵出行動に対して、
日本は今後、どうしていけば良いのでしょうか?
ここで1番大事な事は、私たち国民に尖閣諸島守る意思があるかないかです。
それが明確なら、政府がやる事は、南西諸島地域の軍備の強化以外にありません。
現在、はっきりしている事は、尖閣水域での海上保安庁の監視行動は
もはや限界を超えていると言うことです。
さらに、中国の軍事的挑発を抑止できる自衛隊の配備も、
陸海空とも全く足りていないと言うことです。
つまり、力のアンバランスが生じているわけで、この状態が最も危険と言うしかありません。
力には力でしか対抗する以外にないのですから、平和を維持するなら、
中国が示威行動を繰り返すように、こちらも「あらゆる手段で尖閣を守る」決意を
明確に示していくほかありません。
そうしないと、第1章で述べたような「日中尖閣戦争」がいつ現実化しても
おかしくないのです。
尖閣諸島に最も近い島は、尖閣諸島まで約150キロメートルに位置する
日本最西端の島・与那国島です。
ここの人口は、2015年の時点でわずか1489人に過ぎないため、
2カ所の駐在所にいる2人の警官以外、島を守る人間がいませんでした。
対中国の最前線の島だと言うのに、他の国ならあるはずの軍の駐留もなければ、
国境警備隊すらいないかったのです。
そのため、民主党政権時代、陸上自衛隊は島への部隊配置申請したのですが認められませんでした。
しかし、安倍政権になって認められ、2016年に陸上自衛隊・沿岸監視隊の配備が
やっと実現しました。
島内の2箇所に、レーダーサイトや貯蔵庫などの諸施設、隊舎や家族宿舎も完成し、
現在、自衛隊約160人と家族約90人が暮らすようになっています。
防衛省ではさらに、南西諸島防衛力を高めるため2018年度末までに、
鹿児島県・奄美大島に警備部隊とミサイル部隊を約550人規模で、
沖縄県・宮古島に700~ 800人規模でそれぞれ配備することになっています。
2019年度以降も、石垣島に500 ~600人規模の警備部隊とミサイル部隊を
配備する計画も進んでいます。
また、尖閣諸島が中国に占拠された場合を想定して、陸上自衛隊は、
2017年2月25日~3月10日、米海兵隊と「離島奪還」の合同訓練を
カリフォルニア州で実施しましたし、
2017年度末には「水陸機動団」を新編する予定です。
航空自衛隊も、警戒体制を強化しています。
これまでのスクランブル発進は「F15」戦闘機二機で行っていたので
2017年1月から4機態勢に変更したのです。
さらに、上空での戦闘警戒機(C AP)の滞空時間を大幅に延長し、
「EC2」早期警戒機などをできるだけ多く飛行させ、F 15バックアップするようになりました。
しかし、まだまだ日本独自で防衛できる体制も、能力も整っていません。
米軍の支援がなければ、地域の海上・航空優勢を維持することは困難なのです。
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