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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】104仮想通貨とブロックチェーンはどこまで広がるの?仮想通貨にはどんな種類があるの?

分散型台帳技術を使った仮想通貨はビットコイン以外にもたくさんあります。

 契約情報を記録する「イーサリアム」、文書管理に特化した「ファクトム」、

予測市場の「オーガー」など、ブロックチェーン技術が広がっています。

仮想通貨であるビットコインには、たくさんのライバルがいます。

過去の取引記録を一続きのチェーンに収納し、メンバーが相互に承認して運用する

ブロックチェーンの技術は様々なジャンルに応用できるので、

現在でも、デジタル通貨と呼ばれるものは600位あると言われています。

ビットコインの成功を見て、後から登場してきた仮想通貨中には、

ビットコインの様々な問題を改善し、機能が向上したものもあります。

ただ、今後有力視されているブロックチェーンの数は限られます。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】103ビットコインに消費税がかからなくなる

消費税については、例えば切手のように「非課税扱い」と定められていない限り、

8%の消費税がかかります。

生まれたばかりのビットコインは2017年2月現在、「課税扱い」となっています。

では、ビットコインの取引に消費税がかかると、どんな問題が起きるのでしょうか。

例えば、日本ではビットコインに消費税がかかるのに、外国では税金がかからない

非課税扱いだとします。

すると、日本でビットコインを100円分買う人は、8%の消費税が上乗せされた

「108円」を支払う必要がありますが、海外でビットコインを100円分買う人は

「100円」を支払うだけで済みます。

 これでは日本でビットコインを買う人が一方的に不利になってしまいますから、

誰も日本でビットコインを使いたいと思わないでしょう。

 そこで、2017年4月から、ビットコインを始めとする仮想通貨には、

消費税がかからないことが正式に決まりました。

プリペイドカードや商品券等と同じく、「非課税扱い」となるのです。

それによって、日本国内での売買で、一方的に不利益を被る事態は避けられます。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】102会計上の取り扱いは?

仮想通貨が法的に認められ、上場企業もビットコインを扱えるようになると、

会計上の取り扱いについて、統一ルールが必要になります。 

会計ルールについては、私たちも加盟している一般社団法人日本ブロックチェーン協会

(JBA)と日本会計士協会、金融庁等で話し合いを続けています。

 例えば、私たち事業者がビットコインを所有しているときに、

その資産をどのタイミングで評価するのか。

 10,000ビットコインを保有してるといっても、そのままでは帳簿載らないので、

外貨のように期末時点のレートを適用して日本円に換算した時価評価で記載するとか、

毎日売買していて資産が変動する部分については、行ったり来たりの売り上げを

グロスで載せるのではなく、実体としてはその差分しか売り上げはないので、

そのように記載するといったルール作りを進めています。

対象となるのは、仮想通貨の取引所だけではありません。

一般企業がビットコインの取り扱いを始めた時も、保有資産をどう会計処理がするかと

言う問題が必ず発生します。

また、個人のユーザがビットコインに投資して利益が出たときに、FX等と同じく

「雑所得」扱いになるのか、それとも株式売買益のように「譲渡所得」扱いなのか、

といった問題があります。

 ルールが決まらないと、どうやって確定申告したらいいのかわからないので、

申告したくてもできないと言う事情もあります。

生まれたばかりの仮想通貨に投資して、中には莫大な利益を手にした人も

いるはずですが、得られた所得を進行するかどうかは、完全に個人に委ねられています。

今、ビットコインに限らず、仮想通貨市場が全般的に熱いので、

多くの投資家が集まってきていますが、SNSやチャットなどで「〇〇買った」と

明かす場合のアカウントは大抵匿名です。

儲かりすぎて確定申告したくないと言う人がいても不思議ではありません。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】102ニューヨーク州の厳し過ぎる規制

仮想通貨のような新しいジャンルについては、米国の方がルール作りがうまい

印象があるかもしれませんが、州ごとに法律が異なることと、

ニューヨーク州が最初にガチガチに固めて規制してきた影響で、

2015年頃、ビットコイン業界に暗雲が垂れ込みみました。

ビットコインを使うには、仮想通貨のみならず、為替やディリバティブなど、

既存の金融機関並みの許可を取らないと参入できないと言う厳しい条件が

つけられたため、IT系のスタートアップにはハードルが高すぎて、

ビットコイン事業ができなくなるのではないかと言う危惧が広がったのです。

ニューヨーク州には既存の金融業界の中心地であるウォール街があり、

その兼ね合いで、ITベンチャーの新規参入が制限された可能性があります。

ただ、ニューヨーク州の規制が厳しすぎるなら、事業者が別のもっと規制のゆるい州に

出ていけばいいだけなので、その辺は一概には言えません。

事実、ニューヨーク州の強力な規制が全米に広がるとまずいことになると思っていたら、

カリフォルニア州では全く違う方向で議論がされていて、

その辺、米国の懐の深さを感じます。

規制が厳しすぎると、ユーザーも不利益を被る可能性があります。

例えば、私たちの所には、インターネットを通じて世界中から取引の申し込みが入ります。

そこで私たちは本人確認をして、ニューヨーク在住の人でないことをチェックし、

ニューヨーク州の人は全部弾いているのです。

そうしないと、米国で犯罪マネーの動きを追っている人たち目をつけられ、

例えば私が出張で米国入りした瞬間に逮捕、と言うことになりかねないからです。

規制が厳しすぎることで、ニューヨーク州の人たちは逆にかわいそうなことになっているのです。

 ビットコインの恩恵に預かれないわけですから。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】101世界に先駆けた日本の取り組み

実は、世界的に見ても、仮想通貨をきちんと定義できている国はほとんどありません。

ニューヨーク州法でかなり厳しい条件付きで認められたほかは、目立ったところは無いのです。

 そのため、日本の先進的な取り組みは、世界的にも注目を浴びています。

 例えば、韓国でも日本の法律を参考に法整備の動きがあります。

各国で仮想通貨周りの法整備が整っていけば、いろいろな企業が参入し、

様々なサービスが登場して、ユーザも安心安全に仮想通貨を使うことができるようになり、

新しいデジタル通貨の幕開けになるのではないかと期待しています。

 ビットコインの歴史で言うと、自分たちの理想を実現するために、

限られたメンバーによって運用されていた段階は終わりを迎え、

現在は、この新しい技術がどうやって社会に定着するか、

ルール作りを通じてうまい着地点を見つけている段階と言うことができます。

もともと仮想通貨は誰にも縛られないお金であり、どこの国にも属していないと言う

意味で、独立独歩のリバタリアン的な理想を持って生まれたのですが、

社会と接点を持とうとすると、どうしても法律で縛られたり、

税務上のルールに則っていかなければならないので、そこをうまく着地できるかどうか、

試されているのだと思います。

 世界の先陣を切って日本が法整備に動いたと言うのは、

かなりインパクトのあることで、私たち事業者もそういう場に参加できていると言う実感があります。

 仮想通貨に積極的になったのは、タイミング的には良かった面もあります。

 アベノミクスで新しい成長戦略を描いていくときに

今までのように製造業に頼るだけではGDP(国内総生産) 600兆円台に乗せると言う

安倍政権の目標を達成するのは難しそうだ。

では、どこで数字を積み上げていくかを考えたときに、

ブロックチェーンないし仮想通貨と言う新しい事業領域切り拓いて、

それをアジアに売り込んでいく。

 そういう思惑があるせいか、行政サイドも乗り気なので、私たち事業者にとっても

完全に追い風です。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】100ビットコインの法整備、会計ルール、消費税の扱いは?

資金決済法の改正で仮想通貨の取り扱いに関するルールが整備されました。

事業者には、①本人確認の徹底。②預かり資産の分離が求められます。

 会計ルール税務上の扱いについても議論が進んでいます。

 法律が変わることで事業の環境が変わり、マーケットが変わります。

一般のユーザにとっても、使えるサービスが出たり、できることが増えたりします。

2016年5月25日に資金決済法が改正され、2017年春には施行されます。 

日本が世界に先駆けて国として「仮想通貨とは何か」と言う定義を定めた画期的な法律で、

仮想通貨に対してここまで踏み込んだ法律を作った国は、どこにもありませんでした。

この法改正で、仮想通貨を取り扱う事業者には、大きく二点の義務が課されます。 

1つは、マネーロンダリングをするため、銀行と同じレベルで、

仮想通貨を取引する人の本人確認を徹底すること(178ページ参照)。

もう一つは事業者が破産したとしても利用者を守るため、顧客からの預かり試算と、

運営資金を別々に管理すること(170ページ参照)、です。

どちらも、すでに本文で説明した通りですが、私たち事業者にとって

何をどこまですればいいか、判断基準ができた事は歓迎すべきことです。

また、これまでに法的に白か黒かはっきりしなかいグレーゾーンが広がっていたため、

手を出しにくかった大企業も、今後は続々とプレイヤーとして参加してくるものと思われます。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】99ビットコイン詐欺

マネーロンダリングとは違いますが、ビットコイン投資を騙った詐欺事件も起きています。

「ビットコインに投資すれば確実に儲かる」と称して高齢者から資金を集めたものの、

実際には投資せずに、集めた資金を流用したといったタイプの古典的な詐欺事件です。

ビットコインの客層としては、最初はまさにアーリーアダプターの世界で、

IT関係の知識が豊富で、新しい物好きな人や、金融関係の人が多かったのですが、

日本経済新聞で犯罪に取り上げられるようになってからは、

新しい投資先を探している高齢者の方が明らかに増えました。

日経新聞に記事が載った時は、私たちのところにも電話かかってきて、

「ビットコインなるものを買いたい。

ついては申込書を郵送するか、申し込みカウンターを教えてほしい」と言う方もいらっしゃいました。

普通にネットで登録してもらえれば、すぐにでも始められるのですが、

インターネットに詳しくない人が買おうとしているので、説明が大変です。

こうしたことからも、ビットコインに関しては、いよいよ完全にマジョリティーまで

浸透したのではないかと感じています。

さて、そこまで普及してくると、ビットコインの保有者が亡くなったときに

どうするかと言う、これまでとは全く違う次元の問題が発生します。

亡くなった方の口座はどうするか、相続するときの手続きも決める必要があります。

そもそも連絡してきたのが相続人なのかどうか、本当に亡くなったのかどうか、

証明してもらわなければいけません。

この辺は、銀行預金や証券口座の相続と同じです。

このように、仮想通貨どころか、インターネットの知識も怪しいレベルの人たちまで、

ビットコインを買うようになってきた昨今、ルール作りが必要です。

セミナーなどで投資を勧誘する人も、ある程度、資本金がなければいけない、

事業者でなければいけないといった規制が設けられました。

それによって個人のレベルで詐欺まがいのことをやっている人が駆逐され、

健全化の方向に向かうことが期待されます。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】98トレーサビリティーがしっかりしている

違法な取引、例えばドラックや武器、盗んだ貴金属や美術品などが

闇マーケットで売るしかないので、たとえ高く売れるものであっても

換金はしにくいと言う面があります。 

一方、ビットコインを始めとした仮想通貨は、デジタルで瞬時に動かされるので、

送金に手間賃がかからないし、換金もすぐにできます。 

だから、仮想通貨はマネーロンダリングで狙われやすいと言われているのですが、

ここで思い出してほしいのは、ブロックチェーンにはすべての取引記録が

残っていると言うことです。 

そのため、例えば麻薬取引に関連したアカウントが1つ見つかり、

税関等から取引所に紹介が来るわけですが、こちらは一連の名前を全部提供できる

体制になっています。 

突破口さえ見つかれば、芋づる式に関係者が捕まる可能性が高いわけです。

仮想通貨は匿名性が高いからマネーロンダリングしやすいと言う噂に

飛びつく人が多いようですが、ブロックチェーンはトレーサビリティー(追跡可能性)が

しっかりしていて、お金が移動した痕跡があり、後からいくらでもさかのぼることが

できるので、実は、不正なお金の移動には向いていないのです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】97マネーロンダリングの手口

では、ビットコインを利用したマネーロンダリングは、

実際にはどのように行われるでしょうか。 

2017年1月には、日本国内で初めて、ビットコインを利用したマネーロンダリングの

疑いで、日本人2人が追送検される事件が起きました。 

他人名義のクレジットカードを使って不正に購入したビットコインを、

日本国内で日本円に換金した疑いが持たれています。 

残念ながら、これ以上手口を明らかにしてしまうと、犯罪者に利用される恐れがあるので、

詳細を記すことができませんが、こういうケースが現実にあるからこそ、

登録段階で犯罪できがないかなどないかどうかなど、審査を厳密に行う必要があるのです。 

そのため、後で述べるように、日本では2017年春から、ビットコインの事業者も

金融機関並みに本人確認を徹底することが法律で義務付けられました(184ページ参照)。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】96マネーロンダリングに利用される心配は無いの?

匿名性の高いビットコインはマネーロンダリングに利用される恐れがあるとして、

各国が法整備を急いでいます。

ただビットコインはすべての取引記録が残っているので、

犯罪者が逃げ切るのは至難の業です。

今でこそ、日本国内でビットコイン取引所にアカウントを開設するときは、

本人確認が必須となっていて(17ページ参照)匿名性がだいぶ薄れてきましたが、

もともとビットコインは仲間内だけで流通する遊びからスタートしているので、

正体を隠したまま取引することもできました。

そのため、不正に取得したお金をクリーンなお金に変えるマネーロンダリングで

利用されるのではないかと言う声が根強く、各国も法整備に追われているところです。

また、2016年4月に表面化した「パナマ文書」にあったように、

企業や個人が租税回避のためにタックスヘイブンを利用するのも

黙って見ているわけにもいかないため、国際送金について、

国は監視の目を光らせています。

しかし、ビットコインで富を国外に移動すれば税金対策になるのではないか、

と考える人がいるわけで、今後もいたちごっこが続くと思われます。

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