続いて、増え続けるブロックのデータ量を圧縮できないかと言う課題についてです。
ブロックチェーンは過去のすべての取引記録(トランザクション)が記された
「分散型取引台帳」です。
10分ごとに、数百から数千のトランザクションを1つのブロックにまとめ、
それを承認してチェーンの最後尾に追加していきます。
ビットコインの取引量が増え、ここのトランザクションをまとめたブロックが
重くなっていくと、それをチェックするのに時間がかかります。
ビットコインの取引が承認されるまで何10分もかかるのは問題なので、
基本的にはブロックを軽くしたいわけです。
だから、当初からブロック1つあたりのサイズは上限が1 MBと決まっていましたが、
ビットコインの取引が活発になるにつれて、いずれ1 MBでは入りきらなくなるだろう
と心配されていました。
これをビットコインのスケーリング問題といいます。
一つ一つのブロックには、数百から数千のトランザクションと、
それぞれのトランザクションが正しいと確認するための電子署名が含まれます。
電子メールにも誰が送ったものかを特定するための電子署名がついてきますが、
ブロックチェーンの場合は、過去にやり取りしたすべてのメールの署名が
毎回ついてくるようなイメージなので、データが非常に重くなってしまうのです。
そこで、ブロックに囲まれるデータのサイズを小さくするために、
トランザクションの部分と、、署名の部分を分けるセグウィットと呼ばれる
解決策がビットコインカンファレンスで長らく議論されてきました。
議論が割れたのは、マイナーの中心地である中国が、
セグウィットに難色を示していたからです。
中国はインターネットの通信回線がそもそも遅いので、データ量を軽くしてしまうと、
回線速度が速い国に比べて不利になると言うのです。
ユーザにとって早く処理できた方が良いはずなのに、マイナーの特殊要因で「
遅いままがいい」と言う人がいて議論が紛糾していたわけですが、
現在は既に実装されています。
署名部分を切り離したことによって、1つのブロックに格納できる
トランザクションの数が増えたのです。
ビットコインの良いところは、どこか中心があって、
それが全てを管理するのではなく、民主的な話し合いによって全体の方針が決まることです。
しかし、民主的な運営だからこそ、意思決定のスピードはトップダウン型の組織と比べて
どうしても時間かかるし、必ず合理的な意思決定をできるとは限らないのです。
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