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【いまさら聞けいないビットコインとブロックチェーン】6545万個のブロックがつながる1本のチェーン(鎖)

さて、ブロックの話に戻ります。

ここのブロックには数百から数千取引記録(トランザクション)が含まれています。 

ここでは話を単純化するために、1つのブロックに100個のトランザクションが

含まれるとしましょう。

すると、ビットコインが誕生して最初の取引(例えば「AさんからBさんへ10 BTC移動する」)から、

100回目の取引(例えば「XさんからYさんへ 0.01 BTC移動する」)までは、

1本のブロックに格納されています。 

1番目のブロックには101から200回目、3番目のブロックには201から

300回目のトランザクションが格納されていて、100番目のブロックには9901から、

10,000回目の、1000番目のブロックには90901から10万回目のトランザクションが

格納されていることになります(正確に言うと、

手数料の高いトランザクションほど優先的に承認されるので、

必ずしも取引が行われた順番通りブロックに格納されるわけではありません)。

ブロックはおよそ10分ごとに承認され、最後尾に追加されていくので、

1時間で六個、1日で144個、1年で52,560個のブロックが

新たに追加されていくことになります。

2017年1月時点のブロック総数はおよそ45万。

つまり、45万個のブロックが連なる、枝分かれのないたった1本のチェーンに、

過去のすべてのビットコインの取引の記録が残されているのです。

ブロックが線状につながっているから「ブロックチェーン」と言うわけです。

ちなみに、一度チェーンの最後尾に繋げられたブロックの順番を後から

入れ替えることができません。 

1番目のブロックから2番目、3番目…とつながった順番に並んでいます。

先ほど述べたように、ハッシュ値を利用して暗号化してあるので、

後から勝手に変更することはできないのです。 

ブロックの繋げ方には規則があり、新しいブロックを最後尾につなげるには、

規則に則った鍵を見つける必要があります。 

そして、この鍵を見つける作業を「マイニング」(採掘)」と呼んでいるわけです

(マイニングについては128ページ参照)。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】64手数料によって優先順位を上げる

個々のトランザクションには、わずかながら手数料が含まれています。

例えば、トランザクションのデータ量1000バイトごとに

0.0001 BTC(「1 BTC = 100,000円」なら「10円」)かかるといった具合です。

小口の送金など、大半の取引では手数料は固定されていますが

送金額が大きかったりして、いち早く処理してもらいたい場合は、

手数料を上乗せすることができます。 

承認作業をしている「マイナー(採掘者)」にしてみれば、

手数料が高い方が取り分は増えるので、そうしたトランザクションを優先的に

ブロックに取り込むようにルールが整備されています。

私たちのような取引所からすると、手数料を高めに設定すれば、

自分のところの取引を早く承認してもらうことができることになります。 

現在は、お店での決済と言うよりは、取引所を介した売買や送金が中心なので、

手数料が安く抑えられていますが、今後、ビットコインの取引量が増えて、

即時決済の必要性が高まり、手数料が上がっていくかもしれません。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】63ハッシュ関数によって暗号化

個々のトランザクションは、ハッシュ関数と言う特殊な関数によって

規則性のない一定の長さの文字列(「ハッシュ値」といいます)に置き換えられます。

ハッシュ関数にかけると、どれだけ大きなサイズのデータでも、

同じ桁数の全く異なる文字列に置き換えることができるので、

暗号技術でよく使われます。 

例えば、ここで仮に「AさんからBへ◯BTC移動する」と言う日本語の文字列を

「SH A256」と言うビットコインで利用されるハッシュ関数にかけると、

64桁のハッシュ値が得られます。

次に、0を1つ加えて「AさんからBさんへ10 BTC移動する」と言う文字列同じ

「SH A256」にかけると、64桁のハッシュ値が得られます。

このように、入力データをわずかでも変えると全く異なるハッシュ値が出てくるのが、

ハッシュ関数の特徴です。

そして、入力データからハッシュ値を生成するのは簡単ですが、

ハッシュ値から元のデータを割り出すことができません。 

つまり、不可逆的で、後から勝手に変更できないのです。 

それによって、ビットコインの取引が改竄されることを防いでいるわけです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】62未承認のトランザクションが積み上がっていく

ビットコインの取引は世界中で24時間、365日行われています。

取引はすべてオープンになっているので、◯◯◯と言うサイトを見ると、

最新のトランザクションがリアルタイムで更新されていくのがわかります。

しかし、ビットコインの取引はお互いに承認しあって初めて成立するので

(33ページ参照)、この段階では、すべての取引は「未承認」の状態です。

そこで、ビットコインでは未承認のトランザクションをおよそ10分ごとにまとめて

1つの「ブロック」とし、それを一括して承認する仕組みを採用しています。

新しく承認されたブロックは、既に承認済みのブロックを一続きにした

一本の「チェーン(鎖)」の最後尾にガチャンとはめ込まれて追加されます。 

これでようやく取引が成立するわけです。 

逆に言うと、「AさんからBさんへ◯PTC移動する」と言う指示を出しても、

そのトランザクションを含んだブロックが承認されない限り、

取引は完了しないということです。 

ビットコインの送金指示が取引完了まで時間がかかるのは、

承認待ちの列に並んでいるからなのです。 

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】61ブロックチェーンってどんな技術?

ブロックチェーンは「分散型台帳」技術です。 

100から数千個のビットコインの取引記録(トランザクション)をまとめたブロックを

みんなで手分けして承認し、一本のチェーン(鎖)の形で共有しています。 

ビットコインを支えるブロックチェーンの技術について、ここで改めて、

詳しく見ていきます。

ビットコインの1つの取引は「トランザクション」と呼ばれ、

すべてのトランザクションは「AさんからBさんへ。 

◯BTC移動する」と言う形で記録されます。

AさんがBさんにビットコインを売る(=BさんがAさんから買う)場合も、

AさんがBさんにビットコインを送る(=BさんがAさんから受け取る)場合も、

AさんがBさんに何かの代金をビットコインで支払う(=BさんがAさんから受け取る)場合も、

「AさんからBさんへ。◯B T C移動する」と言う形で表現することができるからです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】60取引所は「いつでも交換可能の場」を提供する

ビットコインの場合、いつでも交換可能な「場」を提供するのが、ビットコイン取引所です。

 世界のあちこちに取引所ができ、自国の通貨といつでも交換できるようになれば、

それだけビットコインの流通量も増えていくはずです。

流動性が高まれば、通貨としての価値も上がる。

つまり、実際に使えるから信用され、さらに価値が上がっていくのです。 

世界各国のビットコイン取引所がそれぞれの国の法律に従って事業を展開し、

そこで交換できるようになれば、ビットコイン自体の価値もどんどんあがります。

取引される量が増えれば増えるほど、いろいろなところに使えるようになるので、

ドルや円と同じような価値を持つようになるのです。 

ビットコインやビットコインを円やドルと交換するのは「両替」ですが、

別にお金と交換しなくても、直接ものと交換してもいいわけです。

お店が認めていれば、ものを買ってビットコインで支払うこともできるので、

支払い手段、決済手段としてもビットコインがこれから世の中に

どんどん浸透していくことになるはずです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】59「ピザ2枚= 10,000 BT」で最初の取引が成立

ビットコインが最初に現実世界で通用する「通貨」としての価値を持ったのは、

2010年5月20日のことでした。 

フロリダ在住のプログラマーが「ビットコインでピザが買いたい」と

ビットコイン開発者のフォーラムに投稿し、それに応じたピザ屋がいて、

「ピザ2枚= 1万BT」で取引が成立します。 

それでそれまでただのデータに過ぎなかったビットコインが、

初めて現実の「物」と交換でき、リアルに価値を持った瞬間です。

現在、5月20日は「ビットコインピザデイ」と言われて、

ビットコイン関係者のお祭りの日になっています。 

ちなみに、ピザ屋が手にした10,000 BTCを現在のレート

(1 BTC=約100,000円)に換算するとおよそ10億円。

とんでもない高値のピザだったことになります。

ただし、そのビザ屋がその後ずっとコインビットコインを持っていればの話ですが。

ビットコインをピザと交換できたと言う事は、米ドルとも交換できるということです。 

例えば、「ピザ2枚= 20ドル」だったりすると、

この時点で「ピザ2枚= 10,000 BT = 20ドル」と言う等式が成り立ちます。

そして、米ドルと交換できると言う事は、日本円とも交換できるわけです。

仮想通貨に限らず、一旦「値」がつけば、それは経済活動に組み込まれます。

例えば、ある特定のゲームの中でアイテム交換のために使われる

「ゲーム内通貨(ポイント)」も、お金を出してでもその「ゲーム内通貨」が欲しい

と言う人がいて、それをネットオークションなどで取引できるようになれば、

ただのデータに「値」がつきます。 

理論上「交換できる」と言うだけでなく、いつでも交換可能な「場」があれば、

そこに市場が立ち上がるのです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】58ビットコインの最初の取引は?

2010年5月22日に「ピザ2枚= 10,000BTC」の取引が成立したのが最初です。

現実の「物」と交換できたことで、リアルな価値を持ちました。

5月22日は「ビットコインピザデイ」と呼ばれるお祭りの日となっています。

先ほどビットコインに「価値」がある理由を説明しましたが、

ビットコインが現実世界で価値を持ったのは、現実の「物」と交換できるようになってからです。

塩が貴重だった時代には、塩と何か交換して、塩が通貨としての価値をしました。

ビットコインも「物」を交換できるようになって、初めて現金と同じ価値を持ったのです。

マイニングによってビットコインを掘り当てたといっても、

それはただのデータのかたまりにすぎません。

最初はそこら辺に落ちている石ころと同じで、何の価値も持ちませんでした。 

そのため、特定のゲーム中だけで通用する「ゲーム内通貨(ポイント)」と同じで、

いきなり円やドル等現金に換金できたわけではありません。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】57発明者「サトシナカモト」は誰か?

ビットコインの発明者である「サトシナカモト」は日本人の名前のように見えますが、

その正体は謎に包まれています。

過去に何人か「サトシナカモト」ではないかと言う人物の名前があり、

2016年にはオーストラリアの起業家グレイグライトが「自分がサトシナカモト」だと

名乗り出て話題になりましたが、いまだに真相は籔の中です。

一説によると、「サトシナカモト」はおよそ100万ビットコイン(「1 BT C = 100,000円」

とすると1000億円」所有しているため、正体がばれると課税される危険があるから、

名乗り出る事はできないできないのだと言われています。

ちなみに、サトシナカモトの名前は、これ以上分割できないビットコインの最小単位に

「1satoshi」が残されています。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】56話し合いによる運営

開発者とマイナーの主だったメンバーは、数ヶ月ごとに世界各国で開かれている

ビットコインカンファレンスに集まり、今後の方向性について議論しています。 

もともとの設計思想として、中央にサーバーがあって誰かがそれを管理するシステムよりも、

みんなで分散管理するシステムの方が民主的で、コストもかからないから、

そのほうがいいと言う発想があります。

中央にサーバーがあるとどうしてもそれを運営する人に権力が集中するというか、

そこに力を持つことになる。 

通貨の場合はそれが国であり、中央銀行であったわけです。

ところが、国が何でも決めるのは良くない。

国が信用できないと考える人たちが一定数いて、そういう人たちは

そもそも誰かの指図を受けるのは大嫌いなので、全員が自分の自由意志で参加して、

メンバー間に序列がなくてみんなの話し合いによってルールを作り、

個々の取引に問題がないか相互に承認し合うシステムの方が心地良いのです。

全員参加による意思決定を重視すると言う意味ではラジカルな民主主義で、

政府を信用せずに何よりも個人の自由を尊重すると言う意味ではリアバタリズムに近い発想です。

ビットコインやブロックチェーンの背後には、もともとそうした思想が

埋め込まれていると言えるかもしれません。

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