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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】55ビットコインをめぐる人たち 【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】55ビットコインをめぐる人たち

ビットコインの関係者を同心円状で表すとすると、円の中心付近にいるのは、

初期の頃からビットコインの開発に携わってきた「コアデベロッパー」と言われる人たちです。 

彼らがビットコインのソフトウェアを実際に開発しています。

その外側には世界中で行われているビットコインの取引を承認し、

あなたのビットコインを掘り出している「マイナー(採掘者」」と呼ばれる人たちがいます。 

後ほど詳しく説明しますが(128ページ参照)、マイナーの人たちが

スパコン並みのマシンパワーと電気代を負担して、すべての取引を承認してくれているから、

ビットコインと言う仮想通貨が成立しているのです。 

その外側には、実際にビットコインの取引を仲介している私たちのような「取引所」があります。

取引所が行っているのは、主に「両替」と「送金」です。

「両替」と言うのは、ビットコインを円やドルと交換することで、

ビットコインの売買そのものです。

手数料が安い「送金」は、ビットコインの得意分野でした(78ページ参照)。

さらにその外側には、ビットコインを使ったサービスを展開する事業者がいます。

ビットコインで支払いを受け付けるお店やeコマースのサイトがそれにあたります。

1番外側にいるのが、エンドユーザーである皆さんです。

取引所経由でビットコインを売ったり買ったり、送ったり受け取ったりします。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】54ビットコインは誰が作ってるの?

ビットコインは、どこか特定の組織に属する開発チームで作られたものではなく、

「サトシナカモト」を名乗る謎の人物が公開した論文に興味を持った人たちが分担して

コードを書き、徐々に現在の形に近づいてきたものです。

ビットコインの出発点は、「サトシナカモト」を名乗る人物が

2008年11月に暗号理論に関するオンラインコミュニティーで発表した

(ビットコイン:P2P電子キャッシュシステム)と言う論文です。

といっても、ビットコインは「サトシナカモト」が単独で開発したものではなく、

どこか特定の組織に属する開発チームで作られたものでもありません。

開発者のオープンなコミュニティの中で「サトシナカモト」が提唱した

ブロックチェーンの技術に興味を持った人たちが分担してコードを書き、

徐々に現在の形に近づいてきました。

いわゆるギークな人たちが仲間内で「ビットコインを掘り当てた」

「ビットコインを送ってみた」を楽しんでいたのが、2009年前後のことです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】54ビットコインは誰が作ってるの?

ビットコインは、どこか特定の組織に属する開発チームで作られたものではなく、

「サトシナカモト」を名乗る謎の人物が公開した論文に興味を持った人たちが分担して

コードを書き、徐々に現在の形に近づいてきたものです。 

ビットコインの出発点は、「サトシナカモト」を名乗る人物が2008年11月に

暗号理論に関するオンラインコミュニティーで発表した

(ビットコイン:P2P電子キャッシュシステム)と言う論文です。 

といっても、ビットコインは「サトシナカモト」が単独で開発したものではなく、

どこか特定の組織に属する開発チームで作られたものでもありません。

開発者のオープンなコミュニティの中で「サトシナカモト」が提唱した

ブロックチェーンの技術に興味を持った人たちが分担してコードを書き、

徐々に現在の形に近づいてきました。 

いわゆるギークな人たちが仲間内で「ビットコインを掘り当てた」

「ビットコインを送ってみた」を楽しんでいたのが、2009年前後のことです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】53ビットコインはゴールドとよく似た資産

ビットコインは、通貨と言うよりも、ゴールドに1番近いと私は考えています。

もともと発行数が有限だから価値が高いし、時間が経つほど採掘は難しくなるように

設計されているからです。

石油や鉱物資源は掘りやすいところからどんどん掘って現金化していくので、

後になるほど採掘コストが上がる傾向にあります。

ビットコインの採掘(マイニング)も、後になるほど計算が複雑になり、

見つけるのが難しくなるので(難易度=ディフィカルティーが上がる)、

それによって価値が上がっていくことが期待されています。 

その意味でもゴールドに似ていて、「デジタルゴールドビットコイン、

その知られざる物語」(ナサニエルポッパー、日本経済新聞社、2016年)と言う、

そのままのタイトルの本も出ています。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】52有限であること

そしてみっつめはビットコインの総量があらかじめ決められている、

つまり「有限であること」です。 

仮想通貨はデジタルデータなだけに、その気になれば、

無尽蔵に増やすことができそうですが、ビットコインはあらかじめ上限が決まっていて、

2100万枚発行された時点で打ち止めになります。 

計算上は、2141年にすべてのビットコインが掘り尽くされる予定です。

古来、金や銀などの貴重な金属が通貨の役割を果たしてきたのは、

まさに量が限られているからです。 

世界中で取引されている基軸通貨、米ドルがゴールドと完全に切り離されたのは、

今からわずか40年ほど前のことです。 

それ以前は、ゴールドの「希少性(有限性)」こそ価値の源泉でした。

ビットコインも「希少(有限)」だからこそ、価値が認められているといえます。

これについては、後ほど改めて説明します(136ページ参照)。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】51特定の国や企業の思惑に左右されない

2つ目は、「特定の国や企業の思惑に左右されない」と言う信用です。

ビットコインは特定の国や企業によって発行されるものではありません。

10分ごとに行われ承認レースの勝者に対して一定のコインが発行されると言うのは、

ビットコインの根幹に関わるルールなので、おいそれと変更することはできません。 

つまり、誰かが勝手にビットコインを大量に発行したり

(流通量が急激に増えると通貨価値が暴落する)、勝手に発行ベースを

遅らせたりすることができないのです。

世間に出回るお金の量を意図的に増やして景気を刺激したり、

意図的に絞って過熱気味の景気を抑えたりする金融政策は、

各国で日常的に送られていますが、ビットコインには中央銀行がないので、

流通量をコントロールすると言う発想がありません。

そのため、どこか特定の国の思惑に左右されることなく、

安定的に流通量が増えてきます。

日本や米国が崩壊しない限り、「円」や「ドル」は暴落しないだろうと言うのも「信用」なら、

ある特定の国が恣意的にコントロールできないから信用できると言うのも「信用」です。どちらを信じるかはあなた次第。

その意味で信仰に近いものがあります。

また、ルールがオープンに共有されていることも、みんなが「信用」している理由が

1つです 

ルールをオープンに共有 して民主的に運用すると言う仕組みはインターネットと

とても相性が良いのです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】50だれも偽造改変できない

では、ビットコインの信用はどこから生まれるのでしょうか。 

大きく分けると、3つあります。

1つは、「だれも偽造改変できない(はず)」と言う信用です。

中央集権的な組織を持たないビットコインの場合、皆の「信用」を支えているのは、

国や、その国の通貨を発行している中央銀行ではありません。 

「全員が過去の取引記録を相互認証する仕組み」があって、誰もそれを偽造したり、

過去にさかのぼって改善したりすることはできないと信じているからこそ、

そこに信用が生まれるわけです。

逆に言うと、誰かが後から手を加えて改変できると分かった瞬間、

価値が暴落する可能性があります。

ビットコインではありませんが、他の仮想通貨では現実にそういう問題が起きていて、

大問題になっています(208ページ参照)。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】49「信用」こそマネーの本質

円やドルは「信用」で成り立っていると言うのは、どういうことでしょうか。

 考えてみれば、紙の「1万円札」を作る原価は20円ほどに過ぎません。

 銀行に預金してある10,000円や電子マネーの10,000円はただのデジタルデータなので、

コストはほとんどゼロです。

にもかかわらず、10,000円がマネーとして通用するのは、

誰もが「10,000円の価値がある」と信じているからです。 

そうした「信用」を支えているのは、国にする信頼です。

そのため、国の将来に不安を感じる人が増えると、円やドルの価値をはがっていきます。

その結果、かつて10,000円で買えたものが、11000円出さないと買えなくなったりします。 

通貨の価値がそれだけ下がったわけです。 

戦争に負けたり、内戦で無政府状態に陥ったりして国の信用が完全に失われると、

その国の通貨の価値は暴落します。

1年前に1000円で変えたお米が、1ヵ月前には10,000円出さないと買えなくなり

(物の値段が10倍=円の価値が10分の1)、1週間前には100,000円出さないと

買えなくなり、物の値段が100倍=円の価値が100分の1)今日は500,000円で

取引されている(物の値段が500万=円の価値が500分の1)とすると、

お金をいくら刷っても間に合いません。

これがハイパーインフレ(物価の暴騰=通貨価値の暴落)と呼ばれる現象です。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】48ゴールドの希少性

かつて金本位制だったときは、紙幣と言うものはあくまでゴールドと

いつでも交換できるものでした。 

ゴールドをいつも持ち歩くのは大変だし、盗まれたりする危険も大きいので、

国の金庫に預けておいて、国民がいつでもゴールドと交換できる

「預かり証(金兌換券と呼び呼びます)」を使っていたのです。

しかし、そうなると、国庫(国の金庫)に入っている以上の紙幣を発行できません。

国の経済力は保有するゴールドの量に比例することになり、ゴールドの争奪戦が起きます。

有名なのは、19世紀の終わりに南アフリカで起きたボーア戦争です。

現在でもレアメタル(希少金属)の宝庫として知られる南アフリカの金鉱をめぐる戦争でしょう。

戦争で勝利した「大英帝国」は、莫大な富(=ゴールド)を手に入れ、わが世の春を謳歌します。

ところが、世界中に産業革命が浸透し、各国の経済が発展していくと、

「国の経済力=国が保有しているゴールドの量」と言う関係にズレが生じます。

そもそも人類がこれまでに掘り出したゴールドの量は全部合わせて18万トンあまり、

50メートルプールに換算すると3.7杯分程度しかないと言われています。

気性だから価値が高いわけですが、量が限られているだけに、

各国が経済力に見合ったゴールドを保有するのは難しくなります。

そのため、現在の通貨はゴールドとは完全に切り離され、

各国の中央銀行が経済状況に応じて発行しています。

つまり、ドルの価値はゴールドに裏付けられたものではなく、

みんなが円やドルに価値があると信用しているから価値があるのです。

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【いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン】47ビットコインの仕組みはどうなってるの?

バーチャルなお金にどうして価値が生じるの?円やドルに価値があるのは、

みんなが価値があると信じているからです。 

信用こそはマネーの本質で、ビットコインの場合は「だれも偽造改変ができない」

「特定の国や人の支配を受けない」「有限である」ことが信用を担保しています。

ビットコインは実体を持たないバーチャルなお金で、中身はただの記号に過ぎません。 

では、それがななぜそれが「通貨」としての価値を持つのでしょうか。

それを考えるために、まず「円」や「ドル」がお金としての価値を持っているのは

なぜかを振り返ってみましょう。

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