こちらの文章が好きでまた買いました。
ちょっと荒唐無稽なところがありますが、そう見えなくもないと言うところでしょうか。
変見自在 7
朝鮮放置論
アフガンはアジアの中心にあって最も高い位置を占める。
ここをとればロシアも中東もインドも支那も見下ろせる。その気になれば攻め滅ぼせる。
欧州で言えばスイスも同じような位置にある。
強国がそこをとると周辺諸国の安全が脅かされる。
それであそこを永世中立国にして軍事同盟も結ばせないようにした。
アフガンはそんな取り決めは無い。覇権を取りたい国が何度も征服に出た。
最初はインドが取りに行ったが失敗した。
アフガン中央部を走る山脈の名ヒンズークシュがその歴史を語っている。
地元の民の使うダリ語で、意味はインド人殺し。
次にロシアと英国が制服を競った。グレートゲームと呼ばれた。
勝ったのは英国だった。
ただカブールは取ったものの、あの国は平たく言えば野盗の国だ。
パシュトンにタジク、トルクメン、ハザラたちが割拠してやったりやられたり。
新参の英軍も隙を見せれば襲われ殺された。
英国はアフガン支配をあきらめ、1842年1月英軍将兵とその家族や娼婦15,000人が
雪のカブールから脱出した。
しかしジャララバードまでたどり着いたのは医師ウィリアム・ブライドンただ1人だった。
コナン・ドイルがワトソン君のモデルにした人物だ。
惨敗の理由はインド兵が寒さに弱すぎたこと。
英軍はインド兵に変えてヒマラヤ育ちのグルカ兵を起用して再度挑んだ。
第一次大戦期も含め3度試みたが、野盗の群れは支配できなかった。
次にブレジネフのソ連が出た。
共産党政権をそれで立て直すつもりだったが野盗に加えて米国が養成したアルカイダは強かった。
ソ連軍が潰れ、ついでにソ連邦も崩壊してしまった。そして今回、米国が出た。
あの辺の覇権よりも9.11をやったアルカイダを退治するためだった。
10年かけて首魁のビンラディンを仕留めたが米軍は居残った。
今年で18年目を迎え、米軍の戦死者は7000を超えた。
この辺に興味を持たないトランプ政権になっても、なお駐留を続ける理由は
新興支那がここを狙いだしたからだ。
しかしファーウェイや関税やらで支那を抑え込める自信ができたのか、
米政府は年内にも14,000のの駐留米兵を半減すると言っている。
大体アフガンは国の歴史を見ても内部で部族同士がガヤガヤやっているだけで、
部族が団結して周辺国家を侵攻した例はない。
ただ外部が少しでも干渉すれば各部族が飽きずに抵抗してくる。
ほっておけば彼らは羊を覆い、アヘンを売り、迷い込んだ外国人を襲う位で大きな害は無い。
米政府もそう見ていて地元の最大勢力タリバンとの撤退交渉ではアルカイダなど
外部勢力と縁を切ることを条件に掲げている。
平たく言えばアフガンのスイス化を図っている。
実はこのアフガン処理はそのまま朝鮮にも通じると言う見方がある。
日本にはあの半島は要衝に見える。どこか強国が取れば日本が危ない。
それで日清、日露戦争を戦った。
支那にしても豆満江まで西側の自由圏文化が押し寄せれば具合が悪い。
ロシアも北朝鮮に米軍基地ができたら北方4島所の騒ぎではなくなる。
周りの国の思惑があって今の分断国家がちょうど良い落としどころになっていた。
しかし朝鮮の歴史を見ればいつも2つか3つに分裂してはガヤガヤやってきた。
あのアフガンと同じ。
それに「四夷八蛮が中原を取ったのに千年属領のまま【※2】」(林白湖【※1】)と言う情けない国だ。
団結して外に打って出た例もない。
だから朝鮮半島の核を外した後は周辺諸国が話し合い、あの半島から一切手を引いてみたらどうか。
金正日と分在寅には「みんなが東洋のスイスになるのを望んでいる」と言う。
結構見えっ張りだ。喜んでOKすると思うが。
──────────
【※1】
林悌、林白湖(1549年-1587年)は、李氏朝鮮時代の文人・儒者・両班。
病死する際に以下の言葉を残して悲嘆にくれながら死んだ[1]。黄文雄の校訂訳を付す[2]。
四海諸國, 未有不稱帝者, 獨我邦終古不能, 生於若此陋邦, 其死何足惜.
〈四夷八蛮が皆中原に入ったのにただただ朝鮮だけできずにいる。
こんな情けない国に長生きしていてもどうにもならない。〉
黄はこれを歴史上長城外の夷狄だけでなく、西南のチベット系民族吐蕃でさえ
中華世界を一度は征服するか、都を占領し脅威を与えているのに、
朝鮮だけは中華の脅威になったことすらなく、朝鮮は大中華に君臣の礼、君父に忠のみである、
との慷慨であると紹介する[2]。
【※2】
四夷八蛮(読み)しいはちばん
精選版 日本国語大辞典の解説
しい‐はちばん【四夷八蛮】
〘名〙 古代中国で、四方八方の異民族をさげすんでいった語。
四夷は東夷、南蛮、北狄(ほくてき)、西戎(せいじゅう)をさし、
八蛮は天竺、咳首(がいしゅ)、僥(しょうぎょう)、跛踵(はしょう)、穿胸(せんきょう)、
儋耳(たんじ)、狗軹(くし)、旁春(ぼうしゅん)をいう。
転じて、四方八方の、帰順しない者。しいはっぱん。
※太平記(14C後)三一「畿内・洛中は僅に王化に随ふといへ共、
四夷八蛮(しイはちバン)は猶武威に属する者多かりけり」 〔周礼‐夏官・職方氏〕