これは実に面白い。痛快。これだけでこの週刊誌を買う価値あり。
しかし、単行本を買うには少し悩む。
5
変見自在
赤くない朝日
昔の戦争は相手を皆殺しにし、すべてを略奪するのが形だった。
カナンの地に入ったイスラエル人はミディアン人の戦士を皆殺しにし、引き上げてきた。
モーゼは女子供も殺してこいと兵を出直させた。
ただ「処女は生かして弄ぶが良い。あなた達への贈り物だから」と言った。
日本人を除くとどの民族もユダヤ人と同じ戦争の形を続けてきたが、
近世になって少しはまともになった。
欧州諸国では戦争はもう戦場だけにしよう、女子供も殺さないようにしようと申し合わせができた。
しかし新参の米国がそれをふいにした。
彼らは例えばインディアンとの戦いでは戦士の留守を狙って集落を襲い、女子供を殺した。
ユダヤ人よりひどかった。
日本との戦いでも彼らは戦場で待つ日本軍を飛び越えて本土を襲い、銃後の家族を殺した。
大戦末には核爆弾も使って日本民族の絶滅を図った。
戦後、焦土と化した日本は厳しい食糧不足に見舞われたがマッカーサーは関心すら払わなかった。
見かねた米国在住の浅野七之助が日系人社会に呼びかけて故国へ食料や医薬品を送った。
世に言うLALA物資だ。
最初に届いた100トンの救援物資は GHQ公衆衛生局長クロフォード・サムスが出てきて
派手な演出で日本側に引き渡した。
「まるでGHQが贈った風に装った」と山村明義「GHQの日本洗脳」にある。
米政府はそのサムスより姑息だった。
余剰小麦がある。それをくれてやろう。
ただ条件がある。その小麦で学校給食を始めろ。
それも「小麦粉食を基本にする」よう学校給食法を定めろ。
かくてあのまずい脱脂粉乳ミルクとコッペパンの給食が始まった。
それが全国に普及し、給食パン会社が数千社もできたところで米政府は支援小麦援助を打ち切った。
日本は驚く。国内産の小麦では賄えない。でも法律でパン給食と決めている。
しょうがない、米国から輸入することになった。
その「国庫負担額は昭和26年で13億円」(前掲書)にも達した。
なんで援助を止めたのかは後にマクガバン上院議員が告白している。
「小麦援助と言う撒き餌でパン給食をやらせ、日本を米農産物の最大の買い手に仕立て上げたのさ」
余剰鉄鋼を抱える習近平が一帯一路を作ってやると言った。
みんな支那の親切を喜んだが、気づいたら借金漬けにされていた。
それとよく似た構図だった。はめられて、じゃぁパンをやめてしまうかと言う声も出る。
GHQはそれも読んで手を打っていた。
慶応の教授に「米を食うと頭が悪くなる」と語らせ、
朝日新聞は天声人語で「親が自分の好みで子供に米食を付き合わせてはならない」と書く。
ご飯など捨てようと促した。
この新聞はマルクスを信奉すると言う。
でもむしろ米国のほうに忠誠を誓っているようにも見える。
実際、米国が「日本は残忍な侵略国家だ」と言えば本田勝一にそう書かせ、吉田清治を探し出してくる。
マクガバンが笑ってから半世紀。
学校給食のパン離れがびっくりするほど進んで「今パン給食は週1回程度、後は米飯給食になった」と
先日の朝日が不満そうに書いていた。
ために給食パンや6軒のうち5軒が潰れたとか。
米国の意向を無視する事態に朝日は怒る。
大体米飯給食にしたのは「農政の失敗で大量に余った政府米を給食に押し付けた」結果だと批判する。
ただそれでは「米国は余剰小麦を給食に押し付けたのは良いこと」で
「政府が余剰米を押し付けたのは悪いこと」とする根拠がどうにもわかり難い。
朝日の意図が疑われる。
で、記事は「米飯給食には愛国心や伝統重んじる」危ないナショナリズムが潜んでいるから悪いのだと
左翼っぽく締めている。
しかしそれこそ米国が壊したかったのものだ。
朝日は左翼新聞等じゃない。
ただの米国の走狗なのだ。
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