中国経済を過大評価した咎め
朴槿恵韓国大統領は2015年9月3日習近平国家首席と並んで天安門の軍事パレードを観閲した。
1時は大いに「親中ムード」が高まった。
その後は不思議と熱狂が冷め始めている。
同9月17日(米時間)FRB(米連邦準備制度理事会)が中国経済の先行き不透明を理由に、
利上げ決定を先送りしたことが大きく響いたのだ。
「中国経済はそれほど悪いのか」と言う認識が、一挙に広がった。
私のように、中国経済についてかねてから「泥舟経済」と言ってきた立場からすれば、
今回のFRB決定は何ら驚くに値しない(拙著「中国経済まっさかさま」アイバス出版を参照してください)。
韓国の驚きの方が、むしろ奇異に映る。
韓国は、先行きを冷静に見ず、1時の感情に左右されることの証明になった。
韓国が、中国経済を過大評価した背景には、「日本憎し」と言う感情論が存在する。
日本経済と比べれば、中国経済は前途様々、いずれはGDP世界一も夢でない。
ここは、日本を切り捨てても中国陣営に加わるべし。
そういう打算が働いた事は言うまでもない。
天安門観閲以降の韓国メディアは、中韓関係の「政熱経熱」論を打ち出したことだ。
それただたった2週間足らずで、韓国メディアに中国経済見直し論が登場している。
韓国の「変わり身」が、驚くほど速いことに驚かざるを得ない。
「朝鮮日報」(2015年9月20日付)は、コラム「中国が本当に世界第二の経済大国なのか」を掲載した。
筆者は、「朝鮮日報」ソンヒヨン主筆である。
「中国はこれまで「世界の工場」として安価な商品を全世界に供給する製造業者役を忠実に果たしてきた。
また、あらゆる資源や機械類を輸入し、購買力を武器に影響力を誇示してきた。
さらに中国は2015年、これに加えて全く違う一面も見せた。
中国株式市場が暴落すれば、全世界の株価が同時暴落すると言う現象が連続して起こっているのだ。
「2015年は中国が2つの不信を露呈した年でもある。
国内では政府に対する不信感が広がり、国外では経済政策はもちろん、
統計すら信じられない国だと言う烙印をされた」 「2015年8月の人民元相場暴落により、
中国政府が為替レートを強引に調整していることが白日の下にさらされた。
「やはり中国はまだまだだった」とと言う声とともに、「胸の筋肉はすごいが、脳みそが足りない国」、
「乗用車の運転免許証でジャンボ飛行機を操縦している国」と言う印象まで植え付けてしまった。
経済研究所の中には「チャイナ、メルトダウン」と大げさに分析したところもあった」
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