「韓国企画財政部(省に相当)は中国が7%成長維持しさえすれば、韓国の輸出は持ちこたえられる。
成長率がそれ以下に低下すれば、中国国内で市場性をアップする以外にない。
大企業が価格を引き下げたり、品質を向上させたりしてシェアを守ることが
できるが、そういう余裕がない中小企業は限界に直面すると懸念した。
中国経済がハードランディングを回避したとしても、中国は輸出製造業、加工貿易中心から内需、
高付加価値、サービス業中心へと経済体質を改善しつつある。
その影響が中国の輸出にも及んでいる。
高度成長期の中国に部品や素材など中間財を輸出し、
好況に沸いた韓国経済にとっては直接的な打撃となる。
韓国の対中韓国の対中輸出伸び率は、今年5から8月に4ヶ月連続でマイナスを記録した」
中国が7%成長維持できれば、韓国の対中国輸出は持ちこたえられると言う。
今や、この前提が大きく崩れようとしている。
韓国経済にとって深刻である。
韓国が反日親中を明らかにしたのは、中国経済が順風満帆であり続ける。
そういう前提があったに違いない。
お気の毒だが1年も経たずに萎んだ訳である。
韓国国内には、冷静に日中経済の比較研究ができる人物はいなかったのだろう。
とんだ見当違いの反日親中の路線の選択であった。
中国経済は不動産バブル崩壊のほかに、2015年6月から株式バブル崩壊が加わった。
これらの後遺症でいずれ年5%成長路線を割る。
そうなれば、韓国の対中輸出は大幅なマイナスになろう。
中国への輸出品目を中国内需用に転換するとしても、
中級品では中国製品、高級製品では日本製品と競合する。
並大抵の努力では問題克服が困難である。
中韓の技術格差がかなり接近している現在、韓国の対中輸出は予断を許さないのだ。
中央日報(2014年10月21日付)は次のように伝えた。
「韓国経済が危機に陥るたびに救援投手となった輸出に警告灯が灯った。
昨年の輸出は総規模で過去最大の5596億ドルだった。
しかし一皮むけばあちこちに亀裂が入っている。
主力産業の輸出からして問題だ。
韓国貿易協会によると、昨年の韓国の10大輸出品目のうち4品目がマイナス成長となった。
鉄鋼板、ディスプレイ、造船(船舶海洋構造物)、石油製品だ。
鉄鋼板輸出は2011年の210億ドルから2年連続で減少している。
金融危機直後ドル箱だったディスプレイは昨年輸出が一年前より8.6%減った。
造船は2011年以降回復できなくなっており、石油製品輸出は昨年だけで33億ドル減った。
国際貿易研究員のシン.スンガン動向分析室長は、
金融危機以降1から2品目の輸出実績が減ったことがあるが、大量の勢いが折れたのは初めて。
10大主要品目のうち4品目の輸出額が減少したと言うのは深刻な危機と話した」
過去の経済危機のたびに、切り札となったのが輸出増加である。
そのエース役の輸出が、主力10品目中4品目で輸出競争力をうしなってきた。
具体的には、鉄鋼板、ディスプレイ、造船(船舶海洋鉱物)、石油製品である。
多くは、中国の過剰生産能力による価格低下で、競争力をうしなったとみられる。
中国は過剰投資によって経済成長率をかさ上げしてきた。
皮肉にも韓国が反日デモで身を寄せた中国の過剰生産能力で、自らの輸出競争力を失う羽目になった。
中韓は、似たような産業構造になっている。
そのことを忘れていたのであろう。
次に、中韓の技術格差は消えつつある。
韓国の輸出戦略は、大きな限界に突き当たっている。
「当然、主力製造業者の国内投資余力はすっかり底をついた。
原価競争力でも確保するには賃金が安く法人税が低い海外工場を先に作るほかないためだ。
サムスンディスプレイ(ベトナムバクニン省、LG化学(中国南京)、ネクセンタイヤ(チェコ、ジャテツ)など
最近進行中の大規模投資は全て海外工場だ。
1999年に47億ドルだった
海外投資は昨年357億ドルに増えた。
これに対し韓国に投資した外国資金は15年にわたり足踏み状態だ。
外国人投資誘致のため130兆ウォンの開発費をかけた経済自由区域が誘致した投資は
9兆7000億ウォンで開発費の10分の1にもならない。
製造業の空洞化がさらに悪化するほかないわけだ」
韓国の輸出競争力減退は、ますます製造業の海外進出に拍車をかけている。
これによって、韓国国内での設備投資は減少気味に推移し、韓国経済の低迷を招いている。
一方、海外企業の韓国への進出もはかばかしくない。
海外企業による韓国直接投資額は、15年間にわたり足踏み状態である。
こうして、韓国経済の内外に問題を抱えるに至った。
本来ならば、銀行業が奮起一番、信用創造能力
を発揮して「イノベーション」の種をまかなければならない局面である。
だが、内向きの消極的な営業を続けている。
銀行業は明らかに惰眠を貪っている。
韓国銀行業は世界81位にランクされるほど不振を極めているからだ。
韓国は、名目GDPで世界14位(2013年)である。
名目GDPと比べて銀行業のランクの低さは、
あまりにも落差がありすぎるのである。
韓国銀行業の世界ランク81位である理由をあげたい。
それは、一人当たり名目GDPに関する韓国銀行の給与比率が、203%にも達していることに表れている。
つまり、銀行員給与は一人当たり名目GDPの二倍もの待遇なのだ。
2014年時点での韓国政府金融委員会調査によるもの。
中国は214%である。
中韓は揃って高い給与比率である。
銀行が高い利鞘を確保している結果だ。
競争的な貸し出しをせず、殿様商売を意味する。
中国経済のイノベーション
が進まない背景を示唆している。
上記調査によると、日本は146%、米国は101%である。
日米の銀行行が経済活性化を目指して、積極的な融資活動を展開していることを意味する。
ただ日米共にゼロ金利状態にあることも見逃せない。
それが給与比率を下げていることも見逃せないが、
銀行本来の前向きな信用創造を行っていることをうかがわせるのに十分なデータだ。
韓国銀行が消極的な形である。
この点については再論する。
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