日本人は賢い。物の本質を見通す力がある。
例えばキリスト教だ。
欧州では不潔と抑圧と迷信に苦しむ人たちに心の安らぎを与え、大いに繁盛していた。
マルクスが後に行ったアヘンの効き目が抜群の宗教だった。
でも日本は清潔で、抑圧もそう酷くなかった。
迷信もミミズにおしっこをひっかけるなくらいだった。
むしろ日本人は奴隷を鞭打ちしながら慈悲を説く伴天連に鼻白んだ。
だから世界でただ一国、この宗教を見限った。
それが正しい選択だった事は世界の歴史が証明している。
同じ頃鉄砲も伝わった。日本人はこっちには目を輝かせた。
領主、種子島時堯は刀鍛冶の八板金兵衛に同じものを作れと言った。
金兵衛は心血を注ぎ、本物に勝るものを作った。
銃身のお尻、尾栓には日本初の着脱自在の螺子を取り付けた。
一説には娘と引き換えに毛唐からそのメカニズムを習得したと言う。
火縄銃は世に広まり、金兵衛の孫の時代には日本の銃保有数は世界一の50万丁に達した。
下地はあった。
まず鉄も鉛も産した。
高度の製鉄技術も持っていた。
細かいことを言えば火縄には日本の檜皮が最適とわかった。
ただ問題はあった。
火薬の原料の木炭と硫黄は余るほどあったが肝心の硝石がなかった。
で、日本は隣の明に硝石の有無を尋ねた。
実は日本から大量の硫黄を買っていた。
琉球も硫黄を朝貢して好待遇を受けていた。
もしかして硫黄は火薬用ではと思ったからだ。
答えはイエス。
山東や四川で山ほど取れた。
でも売らない。
なぜなら200年前に大祖の朱元璋が「日本は敵だから硝石を売るな」と遺言したからだ。
明の持つ銅製銃も日本人に見せたり、構造を漏洩したりすることを厳しく禁じた。
これは属領の高句麗にも厳命していた。
福沢諭吉は支那朝鮮を友達だが「悪友」と言った。
が、彼らは1000年前から日本を敵と見ていた。
ゆえに硝石は売らない。
ではイエズス会はと言うと硝石1樽と日本の女50人と交換すると言った。
日本人は自力で硝石作りする道を選んだ。
ヒントは臭くて汚くて埃の舞う三東省の景色だ。
五箇山では囲炉裏の床下に穴を掘ってヨモギや麻の干し草を敷き、蚕の糞と藁灰を入れ、
尿をかけて埋めた。
山東省を再現した。
数年寝かせると、あら不思議、穴の底に硝酸カリウムつまり硝石ができていた。
元素も化学式も知らない時代に日本は硝石を手作りし、世界最高の鉄砲部隊を作り上げた。
秀吉の軍勢はその鉄砲隊を先頭に朝鮮に出兵して明の軍隊と対決した。
火縄銃の威力は明の青銅銃を凌駕した。
鉛弾は100メートル離れた明兵の鎧を貫通し、今のマグナム弾と同じに体に大穴を開けた。
青銅の火器にしがみつき、改良を怠った明は日本に敗れて以後、
種子島を真似た火器を作るようになった。
ルイスフロイスもその威力を知り、日本征服を断念するように本国に伝えた。
ちなみにナポレオンは後に日本の知恵を借りて同じ方式で硝石を国産化した。
明治に来た英宣教師ヘンリーフォールズは日本人がIDとして拇印を押しているのを見た。
調べたら誰の指紋も違い、成長しても不変と知った。
日本人の知恵を英科学誌に発表したら「指紋の発見者」の称号をもらえた。
昭和に来たマッカーサーは天皇家が直系男子で皇統を紡いできたことを知った。
彼は日本を壊すのが使命だった。
意味もわからないまま皇統断絶の意図で宮家をほぼ廃した。
今世紀に入り、男のY染色体が不変で継がれることが解明された。
日本人はそれを神武の御代から知っていた。
皇統が世界の奇跡と言われる所以だ。
今、例えば園部逸郎や朝日新聞が男女同権だからと女性天皇を立てようと言う。
それで神武以来紡がれてきたY染色体が絶たれることも知らない。
日本人の中にこんな蒙昧がまだいたんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コメントを残す