「超」短期退職者がいっぱい。
韓国の若者が大学を卒業して、そこそこの企業のホワイトカラーになるまでのエネルギー消費量は、
日本の若者の何倍になるかもしれない。
ところが、それほどの苦労をして、ようやく職を得た若者たちが3年としないうちに
次々と辞めてしまうのだ。
多くの場合は、次の就職口が決まっているわけでもないのに…。
「漢江の奇跡」と称された韓国の高度成長期があった。
1970年代後半のことだ。
「奇跡」のカラクリは、対外債務の累増を伴う経済基盤の拡張だったが、
この時代は「スカウトされないような奴は無能」と言われ、職場定着率は極めて低かった。
その後韓国アジア金融危機に伴い経済破綻を経験したが、
職場定着率が低さは若年層を中心にして変わらなかった。
「就職難が続く中、就職後1年以内に辞表を出す20歳代会社員が多い。
就業ポータルが会社員の会員537,689人を対象に調査した結果、
123,527人が、ここ1年で事業を出しており、このうち65.7%が20歳代だった」(朝鮮日報04.8.26)
同じ流れが続いてきた。
「就職専門サイトが855社を対象に調査した結果、入社1年以内に会社を辞めた
「超短期退職者」の比率が30.1%に達していた」(朝鮮日報07.5.21)
「統計上の「06年青年層経済活動人口追加調査」でも、
成年求職者の68.9%が2年以内にはじめての職場を辞めており、
3年以上1つの職場に勤めた比率は18.3%にとどまった」(同前)
韓国の新聞に載る就職、職場関連情報の6から7割は
「就職(就業)サイト」をソースにしているように思える。
さすが「ネット情報大国」だが、「就職専門サイト」のスタッフが優秀なのか。
彼らがはじき出す数字はまともなのか。
「わからない」と答えるほかないが、韓国の一流紙がこぞって
「就業専門サイト」提供の情報をそのまま掲載している。
それなりに信頼できるのだろう。
ところが日本では、講演などで「韓国の超短期退職者」について紹介しても、まず信じてもらえない。
講演後、主催者グループと宴を囲むと、「あれは大げさに言ったのでしょう」とか、
「うちの工場でも、すぐに辞める若者はいますよ。
でも7割近くが2年以内なんて、まさか…」となる。
「いや、本当なのですよ」と改めて説明しても、酒の席のことだ。
周囲の別の話し声にかき消される。
で、ますます「まさか、…」と思われてしまう。
しかし、事実なのだ。
リーマンショックから抜け出したものの、ユーロ圏の金融危機が続き、
韓国内では家計債務が不気味に膨張する時代になっても、
職場では若者も中心に(超)短期退職者が続出する状況は変わっていない。
統計庁が青年層(15から29歳)と高齢層(55から79歳)を対象に5月に実施した
経済活動人口調査の付加調査によると、
「学校卒業又は中退後、賃金を受け取る最初の職場に就職してから退職するまでの期間は
平均1年4ヶ月だった」
「最初の職場を退職した理由としては報酬、勤務時間などの勤務環境に対する不満(44.0%)が最も多かった。
昨年の調査に比べ1.7ポイント上昇した」「一方、高齢層の就業者の90%以上は
生活費等のためにも仕事を続けることを希望していることが明らかになった「(連合ニュース12.7.19)
これは、政府機関が調査、分析した結果を、事実上の国営通信社である連合ニュースが配信した記事だ。
まさに「まさか…、」なのだ。
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