初めて韓国旅行をした日本人は、ソウル近郊の新都市を見ると仰天する。
色鮮やかな高層マンションが林立している。
いや、感覚では林立どころか「森立」だ。
ソウル市内も高層マンションが森立している。
その価格はだいぶ下落したとは言え、12年8月の集計値は「ソウルの平均で坪当たり1693万ウォン」
「(高級住宅街の」江南区では同3096万ウォン」(韓国経済新聞12.9.5)。
つまり、良いマンションは坪単価200万円、平均すると100万円。
日本とあまり変わらないと言う感じがしてくる。
それにしても、「給与所得者の54%が月200万以下」の国で、どんな人が「坪当たり3096万ウォン」
のマンションを買うのだろうか。
もちろん、今日の両班が中人だが、日本との違いは「賃貸マンション」が例外的にしかないことだ。
マンションは、抽選による分譲が大原則だが、購入して自分で住むのは4割で、
6割は購入するや否や誰かに貸し出される。
韓国には世界でも稀な不動産の賃貸方式がある。
「伝貰チョンセ」と言う。
入居するときに、家主に物件時価の5から6割にあたる金を預ける。
この金が狭義の「伝貰」で、これさえ渡せば、後はビタ一文支払う必要は無い。
つまり「月々の家賃」(韓国語では「月貰ウォルセ」と言う)は払わなくていい。
普通は2年契約で、2年後に引っ越すことになると家主は最初に渡した金を全額返してくれる。
なんとも不思議なシステムだが、この賃貸システム全体が広義の「伝貰」だ。
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