これまで韓国では、住宅価格とは常に右肩上がりするものだった。
実際には04年にも下落気があったが、何年かのスパンで見れば常に上がってきた。
だから、まとまった金ができれば、買い入れ予定の住宅を担保にして銀行から住宅ローンを借り、
そして目指す住宅を買い、それを伝貰で貸し出し、私債の利息を手に入れるのが、
金持ち層の常識だった。
何年かして住宅を売れば、銀行への返済分を差し引いても、大きな差額が手に入る。
そして、改めて前より高価な住宅を買い込み、うまくいったら二軒でも三軒でも住宅を転がす。
韓国語で「福夫人」と呼ばれる人たちの典型的な行動だった。
ところが、リーマンショックを何とか乗り切ったあたりから、
住宅価格が静かにだが持続的に下落し始めた。
新土地の豪華マンション群が大量に売れ残ると、たちまち連鎖が起きた。
しかし「住宅バブルがついに破裂した」ととも言えなかった。
どこからともなく静かに空気が漏れ続けたのだ。
日本のように一気にぺちゃんこになれば、切り替えも早いのかもしれない。
が、韓国の場合だとなかなか「損切り」踏み切れない。
ダメージが蓄積する。
とりわけ深刻なのは、06から08年の住宅相場が高かった時期に、高級物件を買い込んだ人々だ。
2割から3割高く売って逃げるつもりだった福夫人の思惑は見事に外れた。
高値で買った06から08年の物件は、12年冬の段階では、
売却しても銀行融資分(当初時価の6割が限度)も満たせない物件が圧倒的とされるほど下落している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コメントを残す