「底なし汚職帝国」の特徴は、教育をする人間、取り締まる人間、そして裁く人間まで、
汚職に染まっていることだ。
まず、教育界の汚職だ。
「首都圏の前職、現職学校長157人が修学旅行など団体行事の過程で、
賄賂を受け取った容疑について警察が本格操作を始めた」「操作は主に小学校に集中しており、
ソウル市の小学校の現職校長7人に一人が警察、検察の捜査を受けると言う
未曾有の事態に発展しつつある」 (朝鮮日報10.3.3)
「給食や印刷等納品業者に対し、数千万ウォン(1千万ウォン=約72万円)の裏金を要求していた
小学校の校長だが、相次いで検察に摘発された」(朝鮮日報12.2.27)
「全羅南道教育監、収賄容疑で逮捕「腐敗一掃」を訴え当選したが、
就任前から1億ウォン以上受領」(朝鮮日報12.4.26)教育監とは、
日本で言えば教育委員長と教育事務局長を兼ねたような職務で、
しかも公選を経て就任するポストだ。
次は警察だ。
韓国の警察の腐敗については、「韓国人の経済学」(1987年)など、
これまでにもたっぷりと書いてきたところだが、改めて「本質は全然変わっていない」と思った。
一言で言えば、韓国では「警察官とは悪い人の代名詞」なのだ。
12年に摘発された「風俗街の帝王事件」は売春斡旋、脱税などの容疑で逮捕された男が
検察に対して、多数の警察官に多額の金品を提供していたと自白したことから始まった。
「総警(著者中=日本の県警本部長クラス)を含め40人が金を受け取った見返りに、
帝王の拠点を取り締まり対象から外していた。
金を受け取った警官たちは警察の監査室に1部を上納していた」(朝鮮日報12.5.3)
風俗営業者との癒着→内部での上納…、警察の典型だ。
実入りの良い勤務地(歓楽街)への異動、あるいは上納の受け取られるポストに就くために、
また上納が行われるのだ。
09年に就任した〇〇○警察庁長は就任の辞で、「公権力の確立に向けた基本前提は、
我々が自らを責められるようなことはしないことだ」「人事請託こそ、組織を蝕む害悪だ」
「警察のプライドや和合を阻む請託に対しては、はっきりと不利益を与える」と強調した。
警察の本質をよく把握した言葉だ。
だが、2年たたないうちに、この警察庁長が建設現場での食堂営業利権をめぐり、
仲介ブローカーから1億7000万ウォンを受け取っていたことが発覚、検察に逮捕された。
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