ここ10年ほどを見ると、特記すべきは04年9月の「性売買特別法」の施工だ。
これが施行される前、政府の手による初の売春実態調査が実施された。
その結果、明らかにされた点は、中央日報(03.2.6)によれば、次のようなものだった。
①売春産業は年間26兆ウォン(約2兆6000億円)内の規模であり、
01年の国内総生産(GDP) 545兆ウォンの5%にあたる。
②「専用」女性はおよそ26万人で、満20歳から34歳までの女性(02年、統計庁)人口の4%にあたる。
ところで、ここで言う「専業」とは、どういう意味なのか。
公娼館、あるいは私娼館にいる女性のことだ。
つまり、客の方が「それだけを目的に」してくる店で待機している売春婦だ。
すなわち、「副業売春婦」がいる。
簡単に言えば、お酒を飲む店で、客の隣に座り酌をする女性は、韓国の常識では
「頼めばできる存在」なのだ「専業よりずっと高いが」。
当時、売春禁止運動を進めた女性団体は、専業、副業合わせて80万人と言う数字を上げていた。
満20から34歳の女性の1割以上が…と言うことだ。
施行された「性売買特別法」により、公娼館は店を閉じ、私娼館も数年にしてその機能を縮小した。
専業売春婦による「売春させろデモ」は何度かあったが、…。
しかし、「韓国人売春婦」が姿を消したわけではなかった。
戦後売春婦たちも少なからず部分は、海外へ飛躍した。
「輸出大国」の面目躍如。
もちろん、先導引率する業者がいた。
同時に韓国国内では、旧専業系が既存の「按摩手術所」(売春婦が、按摩の補助員と言う名目で
客を待つ」に流れたり、「スポーツマッサージ」「休憩店」などに看板の架け替えで生き延び、
今や業者が運営する売春サイト「愛人バンク」が主流になったようだ。
企業系は「ルームサロン」(いろんな訳があるが、私は「洋風妓生料亭」としたい。
「ホストクラブ」に代表されるが、これは高額料金だ。
「居酒屋の酌婦」「料理屋の仲居」もいる。
庶民向けは伝統の「変態床屋」「変態美容院」「チケット喫茶」が現在だ。
チケット喫茶とは、コーヒーを何十人分か注文すると、
魔法瓶に少量のコーヒーを入れた女性が配達してきて…。
「カラオケコンパニオン」「カラオケホスト」「キス部屋」「出張ルーム」
「オフィバン」(オフィスビルの中にある休憩室といった意味」)と、様々な変種も誕生している。
さらにフリーで稼ぐネット系が大勢いる。
性売買特別法の施行直前の、「これからは売春地帯に足を運ぶと、敗家亡身(身代をつぶし、
身を滅ぼす)(東亜日報04.9.13)との見通しは完全に外れた。
性売買特別法の施行は副作用ももたらした。
公娼には厳格な衛生検査があったが、その「絶対安全」な集団が消えてしまったのだ。
こんな事件があった。
准看護師のグループが、夜な夜な遊興の店を訪ね歩き、血液検査もしないで、
「梅毒、エイズなし」の証明書を1枚15,000から20,000ウォンで売ったのだ。
その数が万枚と言うのだから驚きだ(韓国経済新聞12.5.24)。
他人の健康、命など「滅公奉私」の価値にの前には吹っ飛ぶのだ。
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