何かにつけ「大国」「強国」にこだわる韓国だが、朝鮮日報が「韓国、大国の仲間入り、
世界で7番目」(12.5.28)大見出しを立てたのには、「何事か」と驚いた。
本記、解説、サイドで計7本記事の仕立てだった(日本語サイトへの入力日は28.29両日にわたる)。
その言わんとするところを抜粋すると、こういうことだ。
韓国の人口(居住3ヶ月以上の外国人を含む)が、12年6月には五千万を突破することが確実になった。
人口が五千万を超えているかどうかは「大国、小国を区別する基」であり、
韓国の一人当たり所得は二万ドルに足している。
「人口五千万」「一人当たり所得2万ドル」。
この2つの基準を共に満たしている「大国」が世界に日本(87年に達成)、
米国(同88年)フランス、イタリア(ともに90年)、ドイツ(91年)イギリス(96年)の
6カ国しかなかったが、ついに韓国がそれに加わる。
中国、インド、ブラジル、ロシア、メキシコは人口こそ多いが、
一人当たりの所得が1万ドルを超えるのは、まだまだ先。
1万ドルを超えている国々の中で、比較的人口が多いのはオーストラリア(2,380万人)と
カナダ(3,513万人)だが、5000万人の展望は全く見えてこない。
それほど難しい課題を、韓国は「特有の団結力」「犠牲精神」「高い教育水準」
「素早い決断」のDNAを持って達成し、今や「世界経済の中でゆるぎない存在」になり、
見事に「20(サウザンド) 50 (ミリオン)クラブ」入りを果たした。
日本がアメリカより早かったとは、おそらくバブル経済のためだろうが、ここで初めて知った。
それはともかくとして、「2万ドル」「5千万人」と言う基準は、どこで誰が決めたのか。
設定した基準の根拠には触れないまま特集記事が続く。
「韓国の底力は、危機をチャンスに変える韓国特有の「起き上がりこぼし」のDNAから生まれる。
こうした回復力は、世界的な金融危機以降、本格的に世界の注目を浴び始めた。
大手格付け会社ムーディーズは、10年4月に韓国の格付けを「A1」に、
「韓国経済が全世界的な危機や例外的な回復力をを見せた」と理由を説明した。
韓国の〇〇◯駐経済協力開発機構(OECD)大使は「韓国経済の危機に対する適応力は、
今や世界の誰も疑うことができない」と話した」(「危機のたびに強くなる韓国」)
「フィリピンは60年代にはアジアの先進国だったが、国家指導者の腐敗が成長の足かせとなった。
61年には一人当たりGDPが韓国の3倍に達し、80年代に人口が五千万人を超えた。
韓国のように発展していたなら、すでに「20から50クラブ」では果たしていたはずだ。
しかし、15大財閥が国の富の半分以上牛耳るとされるほど、少数が富を独占して、
一人当たりGDPは2200ドルにとどまっている」(「韓国以外が陥った中進国の罠」)
このサイド記事を、朝鮮日報の記者はどんな気持ちで執筆し、国民はどんな気持ちで読んだのだろうか。
「フィリピンは15大財閥が…、」と言うが、サムスン、現代自動車、LG、SKなど、
4つか5つの財閥が、国を牛耳っているのはどこの国か。
とりわけサムスンの横暴に、官僚たちが辟易としている事は、朝鮮日報自身が、
ひ弱な筆勢だったが告発記事を書いていたではないか(05.6.29「サムスンの前に立つと小さくなる政府」)。
朝鮮日報(12.5.28)が韓国、大国入り)」の中で説く未来予測は面白い。
「1度「一人当たり所得2万ドル、人口五千万以上)を達成すれば、ほとんどの国が後退することなく前進を続けている。
日本(92年)をはじめ、イタリア(04年)など、いちど大国の仲間入りをした国は
すべて一人当たりの所得が3万ドルを突破した。
とりわけドイツは所得が非常に低かった東独を吸収しながらも、95年に突破した」
「高麗大学の呉正根教授は「国の規模とレベルの双方でいちど大国となれば、
その地位が二度と低下することなく維持していくと言う下方硬直性がある。
韓国も先を行く国と同じ経路をたどる可能性が高い」と述べた」
(「韓国、規模とレベルの双方で大国の仲間入り」)私には「惰眠の勧め」のように読める。
朝鮮日報がこの記事をアップしたのと同じ位、中央日報は「20年後の韓国潜在成長率1%ショック」との見出しの社説を掲載していた。
「経済協力開発機構(OECD)が2031年の韓国経済の潜在成長率は1%と予測したのは衝撃だ。
事実上のゼロ成長だ。
さらに韓国が34加盟国のうち33位と言うのは、最も大きな衝撃だ。
米国、日本のほか、デフォルト(債務不履行)状態のギリシャよりも低い。
潜在成長率の急落も懸念される。
12年は潜在成長率(3.4%)で最上位圏にある経済が、20年後にはほとんど最下位になると言う展望だ」
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