米韓FTAを見直すにあたっては「為替条項」の導入が焦点となった。
為替条項とは、各国の輸出競争力を高めるために、
為替介入などで通貨安の誘導を図るのを防ぐ取り決めのことだ。
もともと、トランプ政権の狙いとしては、米韓FTA交渉で強制力のある為替条項を導入し、
アジア諸国などとの通商交渉の雛形にする狙いがあったのかもしれない。
結局、米国が目指す強制力のある「為替条項」を協定に盛り込む事は見送られたが、
トランプ大統領は、この為替条項を強制力のない「付帯協定」として押し込んでいる。
為替と言うものは介入しない限り大きく変動しない。
金融緩和すれば為替は安くなるが、これは自動的にそうなるので、これは条項には引っかからない。
そういう意味では、中国はもろに為替介入している。
中国はほとんど固定相場制だから、裏を返せば為替介入を山ほどしていると言うことだ。
固定相場制とは、為替が変動しても人為的に元に戻すように介入する制度なので、
常に介入している制度とも言える。
日本は、金融緩和はしているが、為替介入はしていない。
韓国は為替介入しているから、為替条項に引っかかってしまう。
TPPにしても、投資の自由化等範囲がすごく広いから、韓国は参入を嫌がった。
TPP等は実質的に資本主義国ではない国が嫌がる協定である。
なぜなら、話をモノの貿易だけにとどめたいからだ。
そのため、中国は絶対にTPPに入らない。
国有企業の問題や資本の自由化などがかならず議題にのぼるからだ。
資本の自由化と言う点では、本来なら韓国は先進国なので大丈夫なはずだが、
社会主義国家しているから少しやましい部分があるのではないだろうか。
だから、韓国は真の意味での先進国では無いのかもしれない。
モノの取引だけに限定したいと言う思惑が韓国は強いのだ。
その理由として、韓国経済は財閥がベースになっていて、彼らを守りたいからだ。
韓国は完全に財閥経済である。
これは日本の戦前と似ている。
日本は戦後、財閥解体したが、韓国はしていない。
それどころか財閥への集中度が高いから、資本の自由化を嫌っているのか。
そんな財閥も世襲取が限界を迎えてきた。
真の意味での資本の自由化が起これば、財閥経済がもっと早く崩れるだろう。
資本自由化は先進国の証だが、韓国は形式的には先進国である一方、
実質的には先進国ではないと思う言える。
だから韓国政府はTPPのような包括的な協議は避けたいのだと見られる。
経済と言うものはどこか一点に集中したり、独占するのはよくない。
日本は財閥解体されたのが、かえって経済的にはプラスになった。
韓国の財閥はGDPの2割位を占めている。
これは比率としてはかなり大きい。
ちなみにテレビなどのマスコミは「サムスンなどの十大財閥が韓国のGDPの70%を占める」
としばしば言うが、これは事実ではない。
十大財閥の総売上を韓国のGDPと比較して70%と言うが、この言い方はちょっと恥ずかしい。
比較する場合は同じ概念にするべきで、GDPは売り上げから労働対価、
原材料対価等を除いた付加価値だからだ。
マスコミは数字があると意味もわからずに使うのは、これはその典型であります。
そして、コメンテーターにこうした物言いをする人はまず経済に道である無知であると思った方が良い。
ちなみに、付加価値は売上高の2、3割程度なので、「十大財閥が韓国のGDPの2割程度を占める」
とする方が適切だ。
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