左派からすれば「北朝鮮は地上の楽園」と言うことらしい。
だから、韓国政府は日本の左派メディアも北朝鮮をほとんど批判しない。
中国の天安門事件なども批判しない。
両者は同じ穴のムジナだ。
こうした左傾化が、米韓関係にも深刻な影を落としている。
2019年1月韓国国防部が発表した国防白書では、北朝鮮を「敵」としていた従来の表記を削除し、
さらに1部報道では、韓国政府は韓国軍の将兵向けの教材から「米韓同盟」の章を
丸ごと削除したと言う話も出ている。
文政権による北朝鮮への擦り寄りもさることながら、
ここで重要なのは米韓同盟をないがしろにしている点だ。
米韓同盟とは、正確には「米韓相互防衛条約」と言い、
米国と韓国の間で結ばれた軍事同盟に関する条約だ。
1953年10月1日調印、翌年11月17日に発効した。
米国とソ連の冷戦をきっかけに、1950年に朝鮮戦争が勃発。
1953年7月には国際連合と北朝鮮、中華人民共和国の間で一旦休戦した。
ただ、南北朝鮮が和解したわけではなく、戦争再発の危険性をはらんでいた。
北朝鮮の南進に対応するために、米韓間の集団防衛同盟とともに
韓国軍の兵力増強を目的としたのが米韓同盟だ。
冷戦終結後の1993年12月、平時の作戦統制権は米軍から韓国に移管された。
有事の際は、韓国軍は引き続き米韓連合司令部の指揮下に入る。
戦時作戦統制権については、2012年に米韓連合司令部から韓国に移管される予定だったが、
北朝鮮情勢の悪化を受けて2020年代半ばまで延期されている。
「月刊朝鮮」2018年11月27日付によれば、そんな米韓同盟に対し、
韓国に駐在するハリス米国大使が26日に「米韓同盟がいつまでもあると思うな」と
韓国に警告したと言う。
文大統領は制裁緩和を訴えるばかりで、北朝鮮の非核化を妨害しているとみなしたからだ。
米国からも北朝鮮からも相手にされない、そんな孤立した韓国の姿が浮き彫りになっている。
米韓同盟を軽視する一方で、韓国側の迷走も目立つ。
第4章でも説明したように、日本の輸出規制発表を受けて、
2019年7月18日、韓国大統領府の〇〇◯国家安保室長はGSOMIAの再検討をちらつかせてきた。
GSOMIA宮とは、同盟など親しい関係にある二国間が、秘密軍事情報を提供し合う際に
第3国への漏洩を防ぐために結ぶ協定のことで、
いわば米国が指導する安全保障上の「共通ルール」だ。
韓国のこうした強硬姿勢の背景には、日本により輸出規制を中断させるために
米国を動かす狙いがあるのだろうが、米韓同盟が揺らげば韓国はロシアや中国からも付け込まれる。
その一例が、同7月23日に起きた竹島へのロシア機の領空侵犯だ。
中ロの軍事演習の中、この事件が起こった。
韓国空軍は警告射撃をしたと言うが、竹島は日本の領土宣言しているところであり、
日米韓が強固であれば、手を出せない場所だ。
しかし、米韓で軍事演習もしない以上、中国もロシアも狙ってくる。
それがリアルな国際政治なのだ。
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