また、中国領内に侵入できる長距離爆撃を米側が持つことが、
事態の安定につながると言う本書の主張の妥当性はどうだろうか?
中国の内陸部にある軍事的なアセットを着実に破壊できる能力を持つことによって、
中国による挑発的な行動、挑戦的な行動を押さえ込む。
それが「エアシーバトル」の抑止の考え方だ。
そのためには長距離を高速で飛行し、敵のレーダーから探知されにくいステルス性能を
備えて中国内陸部も攻撃できる爆撃機を持つと言うのは合理的な結論である。
実際、ステルス性の高い長距離爆撃機をアメリカは保有しており、
それが中国本土を叩くことができると言う事実が、抑止力の1部となっているのである。
それでは日本持てば良いではないか、と読者思うかもしれない。
しかし、日本がこうした長距離爆撃機を持つ事は想定できない。
なぜならば、憲法9条の下で、性能上もっぱら他国の領土を壊滅的に破壊するような
攻撃的兵器を日本は持てないからだ。
自衛隊は「専守防衛」の思想の下、攻撃されないための防衛的な兵器のみを
所有していることになる。
こう考えていくと、米軍のアジア太平洋地域におけるプレゼンスは、
日本にとっては是が非でも必要な傘と言うことになる。
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【米中もし戦わば】解説-03
Posted in: 米中もし戦わば
– Posted on 2020/11/12
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