【銀行デジタル革命】101直接発行型は超管理社会を生む?

一方、直接発行型は、銀行預金制度との併存ではなく、

中央銀行デジタル通貨口座が銀行預金口座に徐々にとって変わっていくと言う

発想に基づいていると考えられます。 

民間銀行仲介型のデメリットとして、預金者が突然銀行預金を引き出して、

中銀デジタル通貨に交換しようとしたときに銀行が破綻する可能性を上げましたが、

直接発行型の下で銀行預金が徐々に縮小していくのであれば、そうした事態が起こりにくくなります。 

直接発行型の大きなメリットは、銀行が流動性危機に陥る可能性が低下し、

金融システムの安定感が高まることです。

しかし、課題もあります。 

直接発行または現在のような現金の供給方法とは異なり新しい試みであるため、

それが、民間銀行の業務全体に与える影響が不透明なことです。

銀行預金が縮小していけば、銀行の重要な役割である信用創造機能が失われる可能性があります。

また、企業から個人まですべての預金者が新たに改正する膨大な中央銀行口座を

厳密に管理することが可能かといった、技術的な問題も生じると思われます。

取引情報の取り扱いの問題も出てくるでしょう。

直接発行型の場合、その運営方法にもよりますが、

個人や企業の中銀デジタル通貨を使った取引決済の履歴は、すべて中央銀行が入手することになります。

個人が現金、銀行預金、その他の決済手段から、中銀デジタル通貨を使った決済に

完全に移行すると、すべての取引履歴を中央銀行に把握されてしまいます。 

これは超管理社会呼びたくなるような状態でしょう。

取引履歴の情報を税務当局と共有するか否かといった、かなり難しい問題も生じてきます。

中銀デジタル通貨は、このような問題に十分に配慮しながら、

発行の枠組みを慎重に考えていくことが求められます。 

中でも個人や企業の取引履歴情報が中央銀行に集中してしまうと言う問題点を

考えれば、民間銀行仲介型の方が、世論の反発が少ない現実的な方法ではないでしょうか。

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