2019年5月25日、令和初の国賓として来日したトランプ大統領は四日間の日程を終えて帰国した。
日本にとって最大の成果は何だったのか。
トランプ大統領は25日に東京千代田区のパレスホテルに宿泊した。
26日は午前中に千葉県茂原カントリークラブでゴルフをし、午後は国技館で大相撲観戦をした後、
夕食は六本木の炉端焼き店に行った。
この日は1日中、安倍首相が同行している。
27日は、午前中に皇居で天皇皇后両陛下に謁見し、その後、迎賓館で日米首脳会談を開催。
午後は北朝鮮による拉致被害者家族と面会し、夕食は宮中晩餐会に出席した。
28日は海上自衛隊横須賀基地でヘリコプター搭載護衛艦「かが」に乗艦し、
その後、大統領専用機で離日した。
この日程を見ると、安倍首相とトランプ大統領のツーショットの「絵」が多い。
この「絵」によって、言葉なしで強固な日米関係を国際社会にアピールすることができるのは、
現時点での日本外交としては好ましい展開だ。
どちらかと言えば、従来の首脳会談は実務的な会議が中心だった。
もっとも、その前に実務レベルによる会合があるため、首脳会談と言えば
その仕上げにあたるセレモニーに過ぎなかった。
ところが今回日米首脳会談では、多くの人が参加する会議がほとんどなかった。
安倍師匠とトランプ大統領だけの「サシ」ばかりだったのだ。
しかも、共同声明のような「文章」はなく、
安倍首相とトランプ大統領の「絵」ばかりが表に出てきた。
これは2人の信頼関係を世界中に知らしめるには最も効果的だ。
その意味するところは、1にも2にも日米同盟の強化である。
日本の左派勢力は、日米の同盟関係の強化を毛嫌いする。
それは同盟強化が中国や北朝鮮といった隣国を刺激し、戦争への道を進むことだと
信じて止まないようだが、国際政治の観点からすれば、それはとんでもない誤解だ。
筆者はこれまで何度も指摘しているが、過去の戦争のデータから実証分析すると、
同盟関係の強化は戦争の確率をむしろ減少させている。
特に世界最強である米国との同盟関係は、日本への攻撃を思いとどまらせる抑止力としての
効果の方がはるかに大きい。
こうした話はガキ大将の話と同じだ。
クラスでいじめられそうになったら、嫌いでも1番乱暴な子の仲間になれば、
少なくともその乱暴な子にはいじめられない。
他の子たちも乱暴な子に配慮して、ちょっかいを出さなくなるだろう。
そんな子供でも知っている処世術からも推測できる。
逆に同盟関係を強化しない限り、隣国の野望を高めて戦争の確率を高めることになる。
こんな簡単な発想が日本の左派勢力に全くないのは、筆者には到底信じがたい。
文大統領も同じような発想なのだろう。
外交、安全保障では、
良い悪い、好き嫌いではなく、リアルに柔軟に対応しなければ国益を害することもある。
それを十分に留意しなければいけない。
ここが、日本の左派に多く見られる。
日本さえ平和主義を主張していれば世界も賛同してついてくるはずだと言う「お花畑論」とは
決定的に異なる点だ。
日米同盟強化の証は、最終日の28日、海自横須賀基地において安倍首相とトランプ大統領が
揃って護衛艦「かが」を視察しスピーチしたことでも十分に明らかになったと言える。
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