──────────女性アナウンサー
安倍総理大臣が今日行う内閣改造で外務大臣に河野太郎前行政改革担当大臣、
総務大臣に自民党の野田聖子元総務会長、文部科学大臣に林芳正元農林水産大臣
の起用が内定しました。
これは政府与党の関係者が昨日あきらかにしたもので、
加藤一億総活躍担当大臣閣内で厚生労働大臣に横滑りし上川陽子元法務大臣は
法務大臣へ再登板することが固まっています。
また、環境大臣に自民党の中川まさはる参議院議員副会長、国家公安委員長兼防災担当大臣に
小此木八郎国会対策委員長代理を登用するなど改造内閣の閣僚十九人の顔ぶれが固まりました。
学校法人加計学院の問題などで打撃を受けた政権を立て直すためベテランを多く起用する、
安定重視の陣容となります。
安倍総理の今日の臨時閣議で閣僚の辞表をとりまとめ午後に改造内閣が発足する見通しです。
──────────男性アナウンサー
ま、いくつか注目したい点があるんですが、
この安倍内閣、第二次安倍内閣が生まれて以来ずーっと外務大臣をお勤めでした、
岸田外務大臣が今後政調会長自民党の党務の方にいかれます。
このへん外務大臣留任が濃厚と言われていたんですが政調会長ですね、
──────────伊藤敦夫
うーん、そうでもないですね。
──────────男性アナウンサー
そうでもないですか。
──────────伊藤敦夫
岸田派の中からは以前から、そろそろ外務大臣引いて党の役職ついて欲しいという声もあったし、
ご本人も、そういう感じを持っていたんですがね、
ポスト安倍って三年後、四年後とおもっていたら、もしかしたら一年後かもしれない。
という状況の中で外務大臣って、ものすごい多忙なんですよね。
──────────男性アナウンサー
ちなみに岸田さんは三分の一海外に行ってらっしゃっていた。
──────────伊藤敦夫
それ以外に外国からの賓客の接遇とかいろんなことがあって
自由に一政治家として活動できない、あるいはポスト安倍と言われているけど全国レベルで、
まだそんなに知名度高くないですよね。岸田さん。
そういう意味ではちょっと党の役職について政調会長なら全国政調会長会議といってですね、
あちこち全国回れますし、党員票考えるとね。
それもひとつあるし、それから政権がどうなるかによりますが内閣の中でぴったりそばにいるよりは、
ちょっと距離があった方がね色々なんかあった時に自由にできるとか、
思いもあるのでしょう、安倍総理の方としてもそういう要望を蹴ると、
岸田グループが反安倍に回っちゃうかもしれない。
とにかくいまのところ岸田派、あるいは岸田さんを中心とする岸田派の皆さんを政権を維持するための、
最も有力なグループとして押さえておきたいというものがあったんで、要望を受け入れたと。
これ以外顔ぶれを見ると、岸田派から四人も入っているんですよね。
二人だったのが四人に増えている。とにかく岸田を徹底的に優遇して岸田派がはなれないように
しようと。というのが安倍総理側の思惑だったのかなという感じがしますけどね。
──────────男性アナウンサー
もう一つ野田聖子さんが総務大臣に内定ということなんですけれども、
この前でしたっけ、自民党総裁選で結局推薦人集められなかったありましたけれど、
──────────伊藤敦夫
安倍さんの周辺から潰されたと言って、結構野田さん怒っていたんですね、
野田さんの入閣はかなり前から囁かれていたんですね、お友達内閣じゃないよっていうために、
距離のある人を入れなければいけない、だけど石破さん距離ありすぎる
村上誠一郎さんもっと距離がありすぎる、距離がある中で比較的それほど遠くない人、
まして女性、で能力もある。経験もある。
もひとついうと、安倍さん側は野田さんをこのまま野に放っておくともしかしたら
小池さんと連携しちゃうかなと。という警戒心もあったかもしれませんね。
野田さんの側にしてみるとここのところずっと、無役できているからここで
女性初の総理を目指すには、ある種ここで存在感を示しておく、
これでポスト安倍という名前再浮上しているじゃないですか。
そういう思いもあるのかもしれませんね。
──────────男性アナウンサー
外務大臣河野太郎さん、この番組にも木曜日何度もおいでいただいてちょっとびっくり、
しますけどね。
──────────伊藤敦夫
そうですね、外務大臣というのは僕は考えていなかったんですけど、行革とかね、
そっちの方ずっと熱心に取り組んでいて、言いたいことズバズバ言う
自民党の異端児と言われている人ですから。
考えればね、安倍さん外交もう手詰まりかなと、ね、いろいろやってきたけど。
だいたい総理大臣って外交で大きな成果あげると歴史に名が残るという
一種の伝統みたいなものがあるんですけど、どうもその意味でいうと手詰まり感があったんで
この際任しちゃおうかなみたいな、のもあるかもしれませんね。
──────────男性アナウンサー
北方領土も雲行きがあやしいところですしね。
木曜日恒例伊藤敦夫さん川柳になります。
──────────女性アナウンサー
じかくなしみんしんはなれうつてなし あつお(鹿威し)
──────────男性アナウンサー
このみんしんが、たみのこころ、あるいはたみがすすむ、両方かけているわけなんですけど、
これは民進党ということになりますね。
──────────伊藤敦夫
そうですね、リスナーの皆さん、今日僕は国政の方専門ですから内閣改造のことを話すかなぁ、
と思っていらっしゃる方がいたかもしれませんが、そうはいきません。
まぁ、だいたい顔ぶれ分かればそれでいいじゃないですか。
言葉だけ今の駄作を聞いていたけば、民心離れといえば安倍政権かと思われるかもしれませんが、
私が言いたいのはむしろそっちではないんですね。
いつも内閣改造のとき追うのはこれは人にも言っているんですけど、
なんでマスコミって数時間あるいは一日早く誰が入閣するとかって
必死になって取材するんでしょうかねぇ。あれ不思議ですね。(おまえもだろと突っ込み入れたい)
一般のリスナーの方そんなに関心ありますかね。
──────────男性アナウンサー
きのうあたりからなんだろうとおもうと、誰それさん入閣とかね。
──────────伊藤敦夫
なんとか大臣が誰になったかと知ってなんの意味があるんですかね。
──────────男性アナウンサー
地元の選挙区の方からすると支援する方からすると、やっとうちの親父がというのがあるかもしれません。
──────────伊藤敦夫
一般のリスナーの皆さん、国民の方たちって別に半日早かろうが一日早かろうが、
どうせ決まるとき決まるんだからって思うんじゃないのかなぁと、
いっつもこれが不思議なんですね。ただ政治マスコミはだいたい内閣改造の人事の予想と、
選挙の当落予想が大好きで、そうなった時だけ目の色が違うというね、
まぁ、競馬の予想じゃあるまいしね、別に早く言って当たったからといって、
馬券で儲かるわけでもなんでもないですからね、ま、どうでもいいという感じで
僕も見ていたんですけどね、今日マスコミは大半はこの内閣改造の話になると思うんですけれども、
その陰でみんながほとんど話題にしない民主党のことについてですね、
あえてこの場で時間を頂いて少し話をさせていただきたい。
というのは、実はこの政党の行方というのは与野党を越えて、
今の政党の全体に同行影響を与えるかというね、
政治全体が健全な形でね、これから動いていくかどうかある意味鍵を握っている存在でも
あるんですよね、森友と加計とか一連の稲田さんの失言の一連の問題、
あるいは日報の隠蔽疑惑、等々あるんですけど、ずっーと俯瞰してみていくと
全てに共通する点が見出せると思うんですね、それなにかというと、
安倍一強という言葉だと思うんですよ。こういう安倍一強という状態がある種生み出した、
政権与党のおごりみたいなものがね、こういう問題を引き起こしている
一つの大きな要因になっている共通点のような気がするんですね、
そもそも過去のどんな政権でも例えば小泉政権が
郵政選挙で大勝利を収めた後も、小泉一強とは言わなかったですね。
初めてですよ安倍一強という言葉が、総理の名前をつけてなんとか一強といったの。
初めての例だと思うんですけど、これどうしてこうなったかというとそもそも考えると、
極めて強力な与党と極めて非力な野党という構図、いわゆる一強多弱というのがまずベースにあって、
その中で安倍一強というのが生み出されたと思うんですね、
ただね数の上で一強多弱という状態であってもですよ、これ55年体制なんてね昔自民党と社会党が、
自民党が政権与党、社会党が常に野党第一党社会党の浮き沈みなんかがあって、
ある意味今とそんなに変わらない与野党の、数の差になったことも過去あるわけですよ。
あるんですけどそういう状況の中でも例えば与党から見てですよ、
あの党はこれから伸びるかもしれないな、あの党はなかなかしたたかだぞとか、
それから今はあの党非力だけど、いずれ侮れない存在になるかもしれないぞ、というふうな、
ある種の警戒感とか緊張感を覚えるような野党が存在していればですね、
これほどのおごりが与党側に生まれることがなかったのではないんだろうかな、
でそう考えてくると、与党側が警戒心や緊張感を抱くような野党は現状で言えばですよ、
民進党しかないんですね。
じゃあその民進党の現状はどうなのか、いう話ですけれどここんとこと安倍政権の支持率急落
こうしていますね。自民党の支持率それほどじゃないんだけど、
それでも徐々に徐々に減ってきている。そう状況の中で一方の民進党はどうか。
普通であれば与党の支持率あるいは内閣の支持率が下がれば、
反比例して野党第一党の支持率が上がっても、
不思議ではない、当然そうなると思っていたんですけれども、なんと民進党の支持率は横ばい、
ある調査によってはむしろ下落しているんですよね、
──────────男性アナウンサー
付き合いいいですよね。
──────────伊藤敦夫
もう消費税以下になっちゃっているんですよね。
これじゃぁ、政権与党に驕るなと言っても無理ですよ。
だってみんな人間ですから誰もてチェックしない、あるいはブレーキかけないとなったら、
せっかく権力手に入れたらね、自由気ままに振るってみたいと誰でもなるじゃないですか、
なるでしょ、〇〇さんも。
──────────男性アナウンサー
まぁ、女房のチェックがなければね。野に放たれたなんとかですよ。
──────────伊藤敦夫
飲み放題金使い放題ですよ。ちがいますか。
──────────男性アナウンサー
もし民進党がもうちょっと強ければ、森友かけ問題もこうはならなかったかもしれませんねぇ。
──────────伊藤敦夫
じゃないかなという気もするんですよね。
さてその民進党期待されて代表に約1年前九月でしたね、就任されたのが蓮舫さんでしたね。
その蓮舫さんが1年も持たずに、代表辞任と。安倍政権の支持率は急落するし、
厳しい世論の批判が政権与党に集中している。
加計問題も疑惑が全く晴れない、森友問題も籠池さんは捕まったけど、
なんで国有地が八億も安くなったのという問題は全く解明されない。
日報問題に関しても稲田さんやめちゃったんで、閉会中審査も出てこないみたいな話になっている。
これ、野党にとっては攻め時、絶好のチャンスなわけなんですよ。そういう時期に、
確かに支持率は一向に上向きませんし、都議選では事前に公認予定者がどんどん逃げ出してですね、
都民ファーストに逃げ込むというみっともない状況を作り出してしまった。
それからご自身の国籍の問題、なんかでも批判が一部あった、そういう意味では蓮舫さん、
期待されたほどの実績あげられなかった、というのが事実だと思うんですね、
だけど民進党この三年で代表交代3人目ですよ。
まだやっているんですこういうこと。はっきり言ってみんなで選んだ代表ですよ、ようするに
投票でね、もちろん他の候補者とせったりしたのは事実だけど、結果的には選んだわけでしょ、
蓮舫さんをね、みんなで選んだ代表にもかかわらず、おもわしい結果が出ないと
代表のせいにしてみんなで足を引っ張るというね、この政党の体質今回も見事に顔を出して、
という印象が非常に強いですね。
これ今は民進党ですけどかつての民主党時代、まぁ、同じパターンですよ。
聞いたところによると蓮舫さんが辞任を決断した、先月の二十五日野田さんが幹事長をお辞めになる
って表明したその当日は蓮舫さん非常にやる気でね、今度衆議院に鞍替えしますとかまで言っていたんですが、
急転直下ですよ27日に辞任を表明されたのは。じゃ、その間26日何があったのか。
というと、野田さんの後任の幹事長人事を考えていたんですね、
蓮舫さんね、意中の人にみんな断られたらしいんですよ。
で、幹事長人事もできないんじゃやめるわ。という感じになった、
どうもそうなったらしいんですけど、そのこと自体政党としてのていなしていないね。
もしみんなでその政党をいい政党に頑張ってしていこうというんであれば、
そういう厳しい時こそわかりましたと、代表がそういうんでしたら私捨て身で支えますよ。
というやつが出てきていいはずなのに、みんな逃げちゃうみたいなね。
で、そのこと自体が問題だと思うんですけど、一方蓮舫さんやめちゃったんでね
しょうがないんですけど、今度は次の代表選びに入るらしんですね、
なんと僕びっくりしたんですけど代表選挙九月一日だというんですよ。
党員サポーター入れた選挙やらなきゃいけないとかどうも言っているらしんですけど、
与党の中からですね、最近ちらほらですけど、臨時国会八月中に招集しちゃおうかなとかね、
臨時国会の冒頭で解散しちゃおうかなとか、ごく一部ですけどそんな声が出てきている状態の中で、
代表不在のまま八月いっぱい夏休みなんですよ。夏休みじゃないな代表選挙やるんですけどね。
なんと悠長な政党なんですかね。おまけに今の状態でいうと出馬を明確しているのは、
前原誠司元代表と枝野幸男元幹事長、維新から入った江田さんとかね、
あとは一部でいろいろ名前が上がっているたまきこういちろうさんかな、ゆういちろうさんか。
ごめんなさい。
とか名前出ていますけど、実質的には前原さん対枝野さんの戦いになるんじゃないかと
言われているんですよね。
はっきり言って開いた口がふさがりません。
──────────男性アナウンサー
昨日二木さんがおっしゃっていたのもやっぱり同じですね。
はっきりゼロベースで考えて、これ伊藤さんも前からおっしゃっていた。
昔の名前で出ていた人達が全員舞台から去り、その舞台を支える側に回って、
舞台に上がる人間が無名でもいいから若い人間を登用することを。
──────────伊藤敦夫
昔のイギリス労働党という政党はですね、ブレアさんという長く首相を務めたかたがいますね、
ブレアさんが労働党の党首になったのが30代半ばくらいですよ。
なった当初はどこの馬の骨だか、ところが労働党という政党はよくフロントベンチャーと
バックベンチャーとイギリスの政党はいうんですね、
フロントベンチャーはベテランとか有力者が議会の前の方に座って、若手とか出世の見込みがない人は
バックベンチャーと言って後ろへ座る、そのことばから出ているんですけど、
ブレアさんが労働党の党首になった途端にフロントベンチャーの皆さんがみんな後ろに引いてですね、
これからブレアを育てていく。
これを総理にするんだと言って約10年かけて、総理にしちゃったんです。
前にも言ったかもしれませんが、イギリスって年がら年中政権交代が行われているように一見思いますが、
実はそうでもない時があって、例えばサッチャーさんが保守党ですよね、
党首になって首相になってから、ブレアさんの労働党になるまで17年かかってるんですよ。
ブレアの後のキャメロン、今度は保守党になりましたけど、
キャメロンに変わるまでには10年かかっているんです。
それくらいのサイクルで野党に転落した政党は体制を組み直して時間をかけて
じっくり力を養った上で再チャレンジをしている。先日民進党の割と中堅の幹部クラスの3人くらいと、
あるBSの番組で一緒にこう、番組やっていたんですけど、その時に僕やっぱり気になったのは、
幹部の方から政権交代ってよく出てくるんですね、次の選挙では無理だけど
その次の選挙では政権交代みたいなことを言うんですね、それ僕いつも違和感を感じるんですね、
政権交代が目的なんですか?あなたたちは。
だから、だめなんですよ。まず、自分たちがどういう国のあり方を描いているのか。
どういう政治をやろうとしているのか、それを一般の国民の皆さん有権者の方にわかりやすく説明して、
だから政権交代が必要なんですよということを理解してもらう。
そういう作業を吹っ飛ばしてですね自民党政権打倒とかね、
政権交代と言い続けている限りは、これはもう難しいなと。
という気が結構していてね。
昨日一昨日聞いたら小池新党国政政党どうやら年内本気で立ち上がるんでは
という気が出てきているんですよ。
そうすると民進党の中でもはっきり出来たら民進党の中からかなり行くよ。
と、公言している人がいるんですね。そうするとこのままの状態でいくと
民進党そのものが瓦解してしまうんじゃないのかな。
瓦解するのは勝手ですけど、そうなったら一強状態がより強力なものにわけですよね。
たとえ安倍政権が他の政権に変わったとしてもその状況変わらないわけですから、
それが日本の政治にとって健全な姿か、考えるとどうして民進党の皆さん自覚がないんだろう。
自分たちがになっている責任それは別に政権交代でないですよ。当面は。
自民党に警戒感を抱かせる政党になること、緊張感を持たせる政党になること。
まずそこを目指す。それをやれるのは民進党しかないんだということを
なんでこの人たちは自覚しないのかな。
ということで最近腹たっているんですよね。
──────────男性アナウンサー
伊藤さんずいぶん前からおっしゃっているように、成熟社会に向けてくると
、日本そうそう成長しないんだから、そんなに美味しいことは言えない、
でもあえて美味しいことは言いません。
これが現実なんです、それを皆さん一緒に頑張りましょう、臥薪嘗胆で。って何故言わないんだ。
とおっしゃっていましたけど、まさにそれが言えない民進党ですよね。
──────────伊藤敦夫
そうですよね、先行きね、暗雲漂っているよなぁという感じしかないですね今のところ。
──────────男性アナウンサー
一応内閣改造触れながら民進党への嘆き怒り憤り、元民主党事務局長の伊藤敦夫さんに語ってもらいました。
木曜日のコメンテーター政治アナリストの伊藤敦夫さんでした。