米軍の韓国撤退が現実を帯びるほど、日本では新たな地上配備型ミサイル防衛システム
「イージスアショアー」の導入が真剣な問題になる。
これは弾道ミサイル防衛(BMD)対応イージス艦のうち、
弾道弾迎撃に必要な要素を選び陸上に配置するものだ。
ルーマニアやポーランドでも配備されるが、費用は米国が全額負担している。
日本では2017年12月、イージスアショアの導入が閣議決定された。
山口県と秋田県に、5年かけて2基を配備する計画だ。
国内のミサイル防衛システムとしては、海上自衛隊のイージス艦、航空自衛隊のPAC-3に続いて、
陸上自衛隊が初めて運営運用を担う。
2019年1月29日、米国はイージスアショアを21億5000万ドル(約2350億円)で
日本に売却することを承認した。
これを受けて、日本国内で議論が活発化している。
金額の問題もさることながら、地元にすれば住民の安全が確保できるのかと言う不安が残るからだ。
そんな最中、同年6月5日、防衛省は秋田市の予定地と他の候補地を比較した
地形に関するデータに誤りがあったことを明らかにした。
岩屋毅防衛大臣は衆議院安全保障委員会で「断面図の高さと距離の縮尺が異なっていたことに
気づかずに計算した人為的なミスで、調査結果全体の信頼性を失墜させかねないもので
大変申し訳ない」と陳謝している。
結果を修正しても、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場が適地だとする判断に
変わりは無いとも説明したが、住民説明会では怒りの声が上がった。
しかも、防衛省の担当者が説明会で居眠りするなど緊張感を欠いている点も問題視された。
居眠りする位なら最初から出ないほうがいい。
そもそもグーグルアースを地図のデータとして使用し、
さらに仰角(ものを見上げたときの視線の方向と水平面がなす角)の計算に用いた高さとの
距離の縮尺が異なっていることに気づかず、定規で測り三角関数を用いて計算すると言う
初歩的なミスを犯してしまった。
普通に書くと高さが強調できないため4倍にすると言う事は、
地図に関わっている人なら皆知っている話だ。
それをそのまま用いてはいけない。
これは角度を見たときにすぐわかる。
秋田県にある山の角度があんな急なはずがない。
そんな防衛省のちょんぼはともかく、洋上のイージスでミサイルを迎撃するのは大変だから、
陸上システムは必須だ。
日本は現実に北朝鮮ミサイルの射程範囲内にあるから、何らかの形で防衛しなければならないが、
イージス艦で全て賄うのは大変だ。
イージスアショアなら2基で日本列島を全てカバーできる。
最近の北朝鮮は新型ミサイルも用意しているようだ。
2019年5月4日、北朝鮮が弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射した。
このミサイルはロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンダル」をもとに開発したものではないかとみられている。
イスカンダルとはロシア軍が現在も主力兵器として用いている弾道ミサイルのこと。
スカッド系ミサイルと比べて燃料が液体から固体に変わっており、さらに精密誘導能力も持つと言う。
射程は500キロほどとされているが、このミサイルが上昇してすぐに弾道弾ではなく
普通のミサイルになる。
だから、ほとんど防御ができない。
今後後続距離が長くなると非常に厄介なのだ。
こうした現実があるからこそ、地元民への説明は丁寧に、緊張感を持ってやらなければならない。
地政学的リスクなどを考えて、国の安全を守ると言う立場からすると、
ミサイル防衛の撤回はありえない。
島国の場合、簡単に占領されることも考えられるため、やはり陸地に造らなくてはだめだ。
そうすると候補地も少なく、演習場内などに作らざるを得ない。
ここはよくよく説明して、地元の方々に理解してもらうことになるのではないだろうか。
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