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【むずかしい証券用語】テーパータントラム

引用先:https://jp.reuters.com/article/taper-tantrum-frb-idJPKBN19Q0Q2

テーパー・タントラムとは、

量的緩和の縮小による、市場の癇癪(かんしゃく)のことです。

金融政策における量的緩和の縮小を意味する、「テーパリング」と、

癇癪(かんしゃく)を意味する「タントラム」を組み合わせた造語です。

2013年5月、当時のバーナンキFRB議長が、それまで行っていた金融緩和政策の転換を示唆したときに、

相場が大きな変動を起こしたことに由来し、この言葉が生まれました。

日経平均株価も、前日終値からー898円、

日経平均先物も、5月23日にサーキットブレイカーが発動、

為替相場でも、約10円円高に進行するなど、大きな変動が発生しています。

引用先:http://baibull.net/about-taper_tantrum/

コラム2017年7月5日 / 16:55 / 1年前

コラム:新興国揺るがす「テーパー・タントラム」の再来あるか

Jamie McGeever

[ロンドン 4日 ロイター] – ホラー映画などの続編におけるどっきりの仕掛けは、

しばしばオリジナルほどの効果を発揮しない。

2013年5月、新興国市場は恐怖に駆られて萎縮した。

米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和縮小の時期がきたと示唆し、

いわゆる「テーパー・タントラム」が世界を覆ったからだ。

そして4年後の今、他の主要中銀も量的緩和縮小に動こうとしているが、

「テーパー・タントラム2」が本家と同じほどのショックをもたらす公算は小さい。

少なくとも新興国経済においては。

現在と13年5月を比べると、新興国通貨の相場は大きく下がり、借り入れ金利のプレミアムは拡大、

全体的に資産はかつてほど過大評価されていない。

経常収支赤字はより管理可能な水準となり、新興国経済の世界的なショックもしくは

突然の資金流出に対する脆弱性は薄れた。

新興国の債務は増加している。

国際金融協会(IIF)によると、過去1年だけで新興国債務額は3兆ドル増えて56兆ドルになった。

半面、先進国の債務は減っている。

ただし新興国の非ドル建て債務はずっと少ないので、欧州中央銀行(ECB)や日銀の動きは

FRBほど大きな影響を及ぼしそうにはない。

FRBの政策経路は新興国にとってなお最大の脅威だが、

ここ何年かの引き締めペースは緩やかにとどまってきた。

国際決済銀行(BIS)のデータを見ると、新興国の非金融部門に対するドル建て与信額は

昨年が3兆6000億ドルで、米国外のドル建て与信総額のおよそ3分の1を占めた。

ユーロ建てと円建ての与信額はそれぞれ6000億ユーロと16兆円にすぎない。

<環境の変化>

だからといって新興国市場が、量的緩和縮小の影響から完全に遮断されるというわけではない。

もしも先週が局面転換ということならば、世界中で中銀が潤沢に供給してきた流動性を引き締めれば、

FRBの考え方にどんな変化があろうとも米国債利回りは上昇傾向になる。

ECBが先週ポルトガルのシントラで開いた年次フォーラムに集まった主要中銀当局者の多くは、

金融危機後のゼロ金利と大規模な量的緩和は終幕を迎えつつあるとの見方を示した。

ドイツ銀行のアナリストチームは、こうした動きを「シントラ協定」と名付けている。

実際に歩調を合わせようとしたのかどうかはともかく、

ECBとイングランド銀行(英中央銀行、BOE)、カナダ銀行(中銀)、

そして日銀ですら程度はさまざまながら、いずれも緩和のアクセルを弱めることを見据えるような

メッセージを発信した。

これを受け、主要4準備通貨の市場では突然長期金利が上昇し、

ドイツと英国、米国、日本の国債利回りの週間上昇率は今年最大級になった。

もっとも本家のテーパー・タントラムが、新興国にひどい打撃を与えたのは次のような理由からだ。

つまり新興国はドル建て借り入れへの依存度が非常に高く、

借り入れコスト上昇自体よりもドルの大幅な値上がりに対してもろい構造だった。

13年初めからFRBが利上げを開始した15年12月までに主要6通貨に対するドル指数は

25%上がっている。

新興国株は1カ月足らずで15%も下落し、16年初めまでに時価総額の3割強を失った。

JPモルガンの新興国市場EMBI債券指数は13年5─9月で10%下がり、

EMBIソブリン債利回りスプレッドは1カ月しないうちに約100ベーシスポイント(bp)拡大して

270bpから366bpになった。

だが今がECBや日銀がFRBに追随して引き締め方向に舵を切る場面であるとするなら、

ドル独歩高の可能性は小さいし、そのことが新興国への悪影響のクッションになるはずだ。

さらに新興国の資産はそこまで買われ過ぎていないように見える。

株価は過去1年半で上がったとはいえ、15年や14年、11年の高値を下回っており、

07年の最高値に比べると随分低い。

米国株が最高値圏で推移し続けているのとは好対照だ。

また先週のシントラ発の材料で確かに先進国の国債利回りは跳ね上がったものの、

EMBI利回りスプレッドは逆にやや縮小し、新興国株もほぼ横ばいを維持した。

「テーパー・タントラム2」を鑑賞することは、それでも新興国にとって不快かもしれないが、

4年前ほど忌々しい作品ではないだろう。

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