【政治経済】中国の高齢化問題、老人遺棄問題

中国へのボディーブロー、老人遺棄問題

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バブルがはじけた直後あたりに老人遺棄問題が日本でもかなりあった気がする。

下記の文を読むと、楢山節考、姥捨山のことをイメージしてしまう。

中国って共産主義だったよなぁ。

──────────有本香

中国の高齢者問題、中国でも高齢化が進んでいると。

懸念は前から伝えられているんですけど、

この現状はというと。

──────────福島香織

たまたま10月9日というのは、旧暦の9月9日、重陽の節句、中国的に言うと敬老の日なんですけれども、

その日に興味深いレポートが出て、要するに中国失踪老人レポートみたいな。

要するに行方不明、これがなかなか、こんなレポート出すのは初めてなので、

これは民生局か、民生局傘下の中民社会援助研究所というところがまとめたレポートなんですけども、

要するに年間50万人、一日換算で1370人の老人が失踪していると。全国で。

多いのか少ないのかっていうと、13億人いてて、2億2000万の60歳以上人口がいてて、

その程度なら少ないじゃないと、私は感触としてもっと多いと。

00:01:04

これは多分届け出が出ているとか保護されているとか、カウントされている数だけで、

実は本当に老人というのは社会から全く、関心を寄せられてなくて、突然いなくなっても

誰も気にしないような、もはや家族も関心を持たないぐらいに立場が弱くなっている。

昔女性がね、虐げられているって言われたけど、いまは女性や子供よりも老人の方が

虐げられているというふうに、中国でも言われてて、中国の社会状況というのを理解するというのが

私のやっている仕事の一環なんで、今中国の高齢者問題どういう状況か、というのをご説明したいなと。

だいたいね今60歳以上老人と言っているんですけど、

日本人の60歳以上イメージするとちょっとおかしいと、60歳って若い。

私もあと十年もすると60歳。

いうので、日本の60歳と中国の60歳は基本的に違います。

女性なんかは公務員で55歳定年なんですよね。

だから、50歳とか55歳なると、おじいちゃんおばあちゃん、自分自身が中国人思っちゃうくらい

年をとっているし、なんせまだ平均寿命70歳代ですから、

男性で74歳で、女性が77歳くらいだと思います。

日本は両方とも80超えていますね。

だから全然寿命も違うし、老いるのも早い。

60歳以上の高齢者人口、2.2億人で、今人口の16.1%をしめています。

これが多分2050年くらいになると、30%以上なるのかな、そのうち要介護というのが、

介護が必要だと言われているのが、60歳以上の人口で、中国の場合18%以上あります。

要介護が多い。

男の人は74歳で死んじゃう寿命なんですよ。平均で。

日本は全体の要介護率、例えば60歳以上の要介護率何%いうのは見ていないだけれども、

寿命の長さが全然違うから、あと状況が違うから比較できないんですけど、

例えば日本の75歳から79歳になると急に介護率が伸びるんですよ。

それまで1%とかちょっとなんですね。

75歳から79%の要介護率(こう聞こえた)というのは、14%なんですね。

これが例えば85とか90なるとそれが五、六割となるんだけど、そういうこと考えると、

日本人の70代ね要介護率14%、平均寿命が70代の60歳人口の全体の要介護率は、

二割近いというと実は中国の高齢者というのは大変体が弱っています。

おそらく日本よりも老いるのが、すごく早い。

なんでかというと農村のおじいさんおばあさんの例が多いんですね。

農村重労働だと、あと環境汚染もある。

環境汚染が非常おっきな理由になっていて、水が悪いんですね。やっぱり。

体をこわすというか、病にかかりやすい。

あと、栄養実態だってそれなり、今は良くなったとしても、彼らが生きていた時代ってのは、

飢饉もありましたし、文革の時代もありましたので、非常に健康状態栄養状態も悪いと。

そういうふうな状況で、そうなってくると社会性向システムというのが、

どういうことになっているかというと、基本的に農村に、養老金とかそういうのがもともとなかった。

年金とか養老金というものは、都会の管理と国有企業大企業に就職している人に与えられれものであって、

農村というのは土地が与えられてから、土地を使ってどうにかしなさいと。

基本的には息子が農家をついで親も養う、いうような、家族大家族が基礎になる、

そういうシステムなんです。

だから、一族内で老人を見なければいけないし、システムにもかかわらず、

少子化の人口抑制の一人っ子政策という、子供一人しか産んでいけない、

実際農村は二度も一人だけってのはないんだけれども、それでも圧倒的に昔みたいに、

七人も八人もいて、兄弟で親をみんなで面倒見るという状況でなくて、

一人か二人の子供が、見なきゃいけないと、結婚すると、

四人の親ができちゃう、という状況になりますよね。

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しかも、二元構造なので、農村社会と都市社会の二元構造の中で急激に現金経済が広がってしまったので、

息子たち子供たちの世代はみんな都会に出稼ぎいくと。

老人が農村に一人取り残されると。

土地はあるけれど年をとってきたら耕せない。

っていう状況があって、非常に老人の境遇が悲惨なものになってきています。

なので失踪老人50万人というふうにやっているけど本当はもっと多いであろうと言われてて、

で、その失踪している老人はだいたい農村とか地方都市の老人なんですよね。

で、周りに子供がいないというか、老人だけで暮らしているケースがあって

そのままどっか外に出てしまうと、家に帰れない。行倒れるというパターンも大変多い。

00:06:52

出稼ぎに行っている子供たちは、そのことすら気づいていない、気づいていてもどうしようもない。

というような状況が非常にあります。

私が言っていたのは北京駐在していたのは相当前で2002年から8年くらいなんですけど、

その頃高齢化問題って深刻になりまして、どういうところで気づくかというと、

夜老人がそこらへんに座っているんですね、たむろしているんですよ。

それは「しゃく」といわれるアパートとかマンションとかで、おじいさんおばあさんがいてて、

おしゃべりしてたりとか楽しげだから、要するに同世代交流を外でしているのかなと、家狭いし。

ところが極寒の真冬の2月の北京でも結構遅くまでいてて一人でいる場合もいるので、

私一度なんでこんなに帰らないのというような話をした時に、

要するに狭いアパートで夫婦がちゃんと水入らずでその、生活できるように気をかせているわけでなんです。

老人の居場所がないわけです家で。

だから夫婦が水入らずになっている時間、例えば寝る前の8時くらいまでは外にいてようとか、

老人なりに気をきかせていると、すでに二千年代の初めでも、老人でも結構孝の国といわれていますね、

親孝行の孝の国と言われているけども、なかなか老人肩身が狭くなってきているなぁ、

というふうに思ってて、もう少し時間が経つと例えば五輪前なんかというのは、

五輪前なんかは古事記さんは取り締まられるんですけど、その前急激に増えた時期があったんですよ。

2006年とか七年ぐらいに。

その時に物乞いさん圧倒的に老人が多い。

子供も多いんですけど、それは子供の方が稼げるから子供さらって使うという問題もあったんだけれども、

老人が結構多くて、やっぱりそれも取材したこともあるんですけど、

だいたい北京で外国人とか多い繁華街なんかで、物乞いやっている人たちってのは

山東省の農村から出てきているんですね。

要するに農業できないから、生活するのにお金いるし、生活しなければいけないのでどうするかっというと、

電車に乗って、なんかタダで乗っちゃうらしいですけど、まぎれこんで乗って北京まで来て、

北京で物乞いでお金を稼ぐと。

どこに寝泊まりしているのかなと思うと、北京五輪前なので2008年北京五輪あちこちに工事現場あって、

資材置き場とか、もうすぐ壊しますよという、老朽家屋とかあってそういうところで雨露をしのいでて、

である程度たまったらまた帰っていくということをしてたらしいですけども、

そういう意味では、老人がどうやって生きていくかっというのが大変、その頃から問題になっていましたね。

2009年くらいから、一応中国建前上ですね、国民皆年金制度を目指してですね、

新型農村社会年金の導入とかってやってるんだけども、はっきり言って加入は任意だし、

そんなに告知もされていないし、またたくさんくれるわけでもないんですよ、年金の額もしれているし。

00:10:14

まあどう考えても、展望の持てるような制度になってない。

実際使っている人もまだ、数字では三割広がったとかなんとかいっているけど、

まだまだというところですよね。

そういうふうな、非常に厳しい老人の状況があって、しかもリポートによれば失踪老人のなかで、

七割が記憶障害というか物忘れ、認知症ね、いわゆる。

25%がいわゆるアルツハイマー、認知症と診断されるくらいの状況だったと、

だからもう一旦日本でも徘徊とかで苦労された方いられると思うんですけども、

中国の場合徘徊されちゃったらだれも追いかけてくれない。

誰も通報してくれないというような状況があるんですね。

あたしもねこういうその、中国の高齢者問題ってうのはどうやって解決していくのかかと、

ずっと2002年頃から予言はされていましたから、気になっていたんですけど、

結局今のところまで見ていると、中国社会は老人を切り捨てるという決断をしているなと

いう気がしないでもないです。

普通に老人遺棄っていうことばが中国のメディアに出てくるようになりました。

やっぱり平均年齢が70台なのに、失踪老人の七割が記憶障害とか認知症とかっていわれているって、

率とか多いんじゃないのかなと思うんですけども、中国の老人が認知症が増えている、

それは孤独だと言われていますね。

事実上息子娘たちの遺棄が孤独の原因であるというようなレポートででているわけですね。

健康であればそのベビーシッターとして老親を呼び寄せるとか、あと子供を産んだ後、

老親に預けて自分たちは出稼ぎに行くというパターンもあるって、これ実は留守児童とかっていう

結構別の子供の教育がうまくいかないという意味で別の問題、社会問題になっているんですけども、

そういう形でなんというか健康であれば、あるいは知的に記憶がちゃんとしていれば、

なんとかなるんですけれど、本当に体も不自由で記憶もあたまも老いてしまったという老人が

農村で山ほどあって、北京の郊外でも、私今度それをテーマにしてもいいなと思っているんですけど、

老人村っと言って、老人しかいない村とかがだんだん出来てきます。

出来ていますね。

で、ちょっと典型的な事件をいうと、今年の9月にこんな事件があって、

山東省の西南市で繁華街にホームレス老人がいるぞって言って警察に通報したんですって。

警察が通報された以上保護しないといけない。

そうしたらそうしたら70歳で足が悪くて言葉も不明瞭なおじいさん。

だけども実はそのおじいさんは名前と電話番号を書くことができた。

そこの電話番号にかけると、電話で通報した人が実は出てきた。

息子だったんですね。

息子が結局出稼ぎに行って世話ができないから、警察を呼んだら、救急センターみたいな、

老人保護センターに連れて行ってくれるんじゃないかと、思ったらしい。

で、引き取れって言っても絶対息子は来ないんで、老人の生まれ故郷の農村に連れて行った。

農村にはその男以外に長男がいてたんだけど、長男も農村の健康状態ものすごく悪いから、

要介護だったんです。

しかたがないからその地の養老院というところにいれるわけですね。

中国でもそんなに多くはないんですけど養老院とか、敬老院ていうのがあるんですね。

おじいさんたち引き取る。

00:14:36

──────────有本香

私見たことありますよ。

一箇所。

──────────福島香織

これは一応国家の補助とか、地元政府の財政からお金の補助出ているんだけどタダじゃないんですよ。

やっぱり一ヶ月千元とか千五百元かかってきて、農村で貧しい人が預けるわけにはいかない。

と、でそこにほんとうに老人遺棄じゃないですけど、おじいさんおばあさんを養老院の前に

ポンと置いといて、娘息子たちはいなくなるとか、

最初の何ヶ月か働いていつの間にかお金を納めなくなって、そのまま置きっぱなしにするという

問題も結構増えている。

そうすると養老院はどうするというと、お金もらっているからご飯だすし、

医療もやるけど、お金もらえなかったらご飯もだせないし、医療も出せない。

ということで、たとえば寒冷死という寒さで死んじゃうとか、餓死とか、

いわゆる遺棄放置による死というのもあるわけですね。

家庭でもあるんですね。

こういう老人遺棄死みたいな、事件も結構増えてて結構聞くだに厳しい状況、

でも結局そこでなんというのかな、

今の中国の地方財政政府財政で、どうしようもないんでこのままやっぱり切り捨てられるのかなぁ。

という心配をしています。

まああの隣の国のことなんですけれども、やはり胸の痛いというか、

──────────有本香

結局でもあれでしょうね、その中国もずっと発展してきたんだけど、社会保障制度に関しては、

ずっと言われてきたけどやっぱり難しかったでしょ。

大きすぎる、、、、

──────────福島香織

格差も。

──────────有本香

私の見た老人のいわゆる、老人ホームね、老人ホームプラス医療機関も一緒にあって、

そこはすごくいいところだった。

だけどそれは軍の関係者とか、特別の人しか入れない場所。

──────────福島香織

で、たとえば日本なんかでも、こういう状況を見て老人ビジネスチャンスだ。

って言ってたけど、

現実的には、儲けが出るというかビジネスになるような状況ではないですよね。

──────────有本香

だって、おっしゃるように一ヶ月千元だってほんとうに農村の人たちにしてみたらとっても、

自分が食べられなくなっちゃうみたいな話だから。

──────────福島香織

本当に世界、老人の自殺率が中国世界一なんですよね。

日本も自殺率高いと言われてますけど、

実は中国の自殺率が結構厳しいし、その中で最近深刻なのは農村老人の自殺率なんだけど、

本当に自殺なのかっというケースも結構。

自殺で処理してしまうというケースもあるらしいです。

──────────有本香

日本もおそらく行方不明になっている老人かなり多いと思うのね、私。

というのは私親のことで田舎に去年帰っていた時に、しょっちゅう放送されるの。

1日に何度も放送されて、それがほとんど老人ホームからいなくなってしまったお年寄りとか、

自宅に普通に暮らしていたんだけど、どうも自宅に帰ってこないと、1日に数回あるんですよ。

ということはね、沼津とかあの地域だけでもそれだけあるわけだから、

中規模の都市だったらみんな同じような状況だろうなと。

中国とはさすがに状況が違うけれど、老人の介護の問題というのは、どこの国でも、

これから段々大変な状況になってくる。

だからその悲惨さの度合いが中国の場合は、もうちょっとね、

──────────福島香織

日本でね、老人問題の切り捨てでしかないですねという論調とかが出てきたら、えらいことですけど、

中国ではたとえば遺棄問題でもね、意外に老人遺棄死の犯人とか主犯者というのは、

刑が軽いのね。

一番重いのに懲役三年とか、老人の命の軽視ではないかと問題も出ているんだけど、

やはり聞いていたら仕方がないよね、というようなたぶん同情が湧くんだと思うんですね。

裁判とかでもね。

──────────有本香

あとやっぱり医療の問題でもね、中国はかなり環境的にも厳しいじゃない。

病院の状況もそうだし、健康保険というようなね。

システムもきちんと整っていないから、

やっぱりそれは中国人にとっては、日本の医療環境とか健康保険というのは非常に魅力ある。

──────────福島香織

それはだからチャンスがあれば来たいなというのは、それはそうだろうな。

というね、

気持ちはわかると。

──────────有本香

これは引き続き福島さんまたあれですね、中国の高齢化社会。

──────────福島香織

日本と比較しながら、そうすると日本のなんというのかな打開策とか、

問題点も見えてくるんではないかなと思います。

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