ここで、こう問いかける事は有益かもしれない。
オフショア・コントロールは経済的絞殺以外に何を戦略的目標としているのだろうか。
つまり、何が「勝利のセオリー」なのだろうか。
ハメスにとって、目標は中国政府ではない。
現代では核保有国を完全に打ちまかす事は不可能であるだけでなく、核攻撃の応酬の中で
双方が壊滅的打撃を被ると言う不毛な結果を招くだけだ、と彼は言う。
そのような事態を避けるためには、台湾の政府であれ、尖閣諸島への侵略であれ、
フィリピンやベトナムからの石油・天然ガス採掘権や漁業権の強奪であれ、
電撃戦によるインドからのアルナーチャル・プラデーシュのダッシュであれ
アメリカに対する上空通過の自由の拒否であれ、
戦争のきっかけとなった行為を中国にまずはやめさせ、しかる後、元の状態に
戻させることができればそれを「勝利」と考えるべきだ、と彼は主張する。
勝利のセオリーの第二点としてハメスは、世界の成長と繁栄を続けるなら、
世界経済は中国の14億の消費者と膨大な製造能力を必要とするだろう、とも考えている。
エアシーバトルが想定してるような中国本土への攻撃は一切行わないため、
オフショアコントロールは中国のインフラにはダメージを与えない。
だから、オフショアコントロールはより優れたアプローチなのだ、と彼は言う。
「中国のインフラを破壊しないことで、戦後の国際貿易の回復が容易になる」
ハメスの3番目の論拠は、「激情、偶然、理性」と言うクラウゼヴィッツの有名な
「戦争の三位一体を踏まえている。
このクラウゼヴィッツ流の観点から言えば、エアシーバトルは中国本土を直接攻撃する
ことによって中国国民の激情を煽り、解決の見通しの立たないまま戦争を長引かせる
と言う致命的な誤りを犯す事になる。
「屈辱の100年間」を背景にしたこの問題について、ハメスはこう述べている。
オフショアコントロールはより優れたアプローチのだ、と彼は言う。
「中国のインフラを破壊しないことで、戦後の国際貿易の会社が要因になる」の
3番目の論拠は、「劇場、偶然、理性」と言うクラウゼヴィッツの有名な
「戦争の三位一体」を踏まえている。
このクラウゼヴィッツ流の観点から言えば、エアシーバトルは中国本土を
直接攻撃することによって中国国民の激情を煽り、解決の見通しの立たないまま
戦争を長引かせると言う致命的な誤りを犯す事になる。
「屈辱の100年間」を背景にしたこの問題について、述べている。
中国本土を攻撃すれば、中国は理性を超えて激情的になり、平和的解決のための
交渉に応じようとしなくなるだろう。
本土攻撃を行えば、戦争前の状態に戻す事ははるかに困難になるだろう。
アメリカの国防大学のマーク・モリス大佐、オフショア・コントロールを
好意的に評価して次のように述べている。
中国本土を直接攻撃すれば、中国共産党が祖国防衛の英雄になってしまう。
最後に、オフショアコントロールには次のような利点もある。
様々な方法で、圧力を徐々に、段階的に高められると言う利点である。
ガラガラヘビのように一気におそいかかるのに対して、オフショアコントロールは
ニシキヘビのようにじわじわと締めあげるのである。
クラインとヒューズは次のように述べている。
第一列島線以東への侵入を拒否して遠隔封鎖を実行することができれば、
アメリカは、中国本土への攻撃と言うエスカレーションの危険性のあるステップに
踏み出す前に、段階的な行動をとることができる。
ハメス及びクラインとヒューズは、このようなニシキヘビ・アプローチによって、
実際にミサイルが飛び交い始める前に紛争当事国同士が交渉を始めるための
十分な時間と空間を確保できると主張している。
だから、オフショア・コントロールはエスカレーションの危険が小さいのだ、と。
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