地域ぐるみ、病院ぐるみの保険金詐欺としては、この半年ほど前に、韓国北東部の太白市で
410人が摘発される事件があった。
太白市は炭鉱が閉山し、跡地に作ったテーマパークも人が入らない。
財政破綻した北海道の夕張市に似ている。
その貧しい市で、人口の0.8%が保険金詐欺のお仲間だった。
太白氏の事件について、朝鮮日報(11.11.5)は次のように報じている。
検察や警察の捜査意欲も低い。
捜査当局者は「詐欺犯の身柄を拘束することはほとんどなく、実績にもならないため、
保険詐欺犯の検挙に全力を挙げる事は無い」と話した。
法定最高刑は懲役10年だが、大部分は執行猶予罰金刑にとどまり、
実刑が下されるケースは非常に稀だ。
「それは、そうだ」と言う気もしてくる。
何しろ、何千億ウォンかの脱税、横領で実刑判決を受けたサムスン財閥のオーナーが、
即日、大統領恩赦を受け、「真っ白な人」になってしまう国だ。
現に毎月支払っている保険金のうち、何百万ウォン程度を取り戻したからといって、
なんで刑務所に入らなくてはならないのだ…、韓国の善良なる市民は、きっとそう思うのだろう。
「(保険金業界全体で)保険金の10%は詐欺師にだまし取られる」(東和日報05.1. 31)
「病院長と共謀、偽装入院で1億5000万円詐欺) (朝鮮日報10.11.6)
「虚偽の入院確認書で保険不正請求、偽患者1000人聴取」(朝鮮日報)
これだから韓国紙を読み始めたら面白くてやめられない。
保険金詐欺のほとんどは地域ぐるみではなく、個別の犯行であり、
詐欺の対象は医療保険よりも自動車保険であることが多い。
自動車保険の場合も、病院あるいは担当医の黙認あるいは協力がなければ、
保険金詐欺保険金詐取は無理だろう。
「わざと交通事故を起こした10代、それらを利用した医師」(東和日報09.9.8)
「偽の患者減らず、韓国の自動車保険の損害率80%超」(聯合ニュース11.2.21)
「交通事故の入院率58.5%、日本の9.5倍」(中央日報11.2.21)
交通事故にあったら、あるいは人とぶつかったら痛くなくても、
とりあえず「痛い、痛い」と大げさに泣き叫ぶ。
そうすれば損をする事は無い…きっと、こういう対処法が国民文化として出来上がっているのだろう。
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