「韓国経済新聞」(2015年6月29日付)は、次のように報じている。
「韓国経済研究院は今年の経済成長見通しを3月に出した3.4%から2.7%に0.7ポイント引き下げた。
成長率を下げた根拠には世界経済の成長率下方調整と対外環境悪化に伴う輸出不振などを挙げた。
内需回復が不十分な中で中国の成長鈍化と日本の円安深化、
新興国の景気変動性拡大などの要因が輸出に否定的な影響を及ぼしかねないと言う分析だ」
韓国経済研究院は、2015年の経済成長率について厳しい見通しを発表した。
3月時点での3.4%成長見通しを一挙に2.7%へ引き下げた。
円安=ウォン高に伴い日本と競合する輸出製品が減少しているほか、
MERS騒動による消費の減退が大きく響いている。
問題は、成長率が2.7%に止まらないことである。
MARSの影響がいつ完全収束するかにかかっている。
一応、前述の通り、2015年7月末で収束したことになっている。
「特に中東呼吸器症候群(MERS)は経済に大きな負担になると予想した。
MERSによる経済萎縮が7月末まで2ヶ月以上続けば、
今年の経済成長率は2.0%まで下がる恐れがあると分析した。
また、MERSによる消費心理移植が3ヶ月続けば今年の経済成長率は1.3%まで下がる可能性があるとみている)」
MERS騒動に伴う経済活動の萎縮が7月末まで続けば、2015年の成長率は2.0%。
8月以降も影響が残り合計3ヶ月続けば、成長率は1.3%まで落ち込むと言う「パニック」的な予想もされている。
ここでは、MERS騒動の収束が1ヵ月先に伸びるごとに0.7ポイントの成長率低下を見込む。
末が今年の韓国経済の鍵を握っている。
それにしても、MERS問題への初期対応は完全に間違っていた。
韓国は、あらゆることにおいて危機意識が欠如している国である。
日韓関係にも言える。
日本を一方的に批判する。
そのことのリアクションを計算に入れていないのだ。
日本のMERS問題の取り組みは、2年前から行っていた。
そして、2015年は流行年になる予測までしていたと言う。
日韓関係がスムーズであれば、こういう情報が韓国にも伝えられたであろう。
日本と政治的な対立をすれば、今回のような結果をもたらす。
その見本になった事件である。
「韓国経済研究院は、今年の消費者物価上昇率を1%と予測した。
下半期に公共料金引き上げの余波で消費者物価が小幅に上昇するが、1年間全体で見れば国際原油価格下落と
内需不振が重なって物価引き上げ幅は大きくないとの見方。
経常収支は約1053億ドルの過去最大の黒字を記録すると予想した。
輸出は減少するが、ウォンが円やユーロなどに比べ相対的に高く、輸入がさらに減ると言う理由からだ。
ウォンドル相場は世界的なドル高の影響でドル高ウォン安が続くと予想した」2015年の消費者物価上昇率を
1%と想定している。
現在の消費者物価上昇率はタバコの値上げ分を差し引けば、実質マイナスだ。
それにもかかわらず、年間を通して1%の上昇率ではかなり「甘い」と言える。
MERSによる消費不況を想定しながら、消費者物価上昇率を1%高めにしたのは、かなり意図的と言える。
内需不振を反映して、輸入減少を見込んでいる。
その結果、2015年の経常収支は約1053億ドルもの過去最大の黒字を予想している。
「不況型黒字」である。
「韓国企業が、日本企業に海外市場を奪われないように、海外投資促進策とオーダーメイド型輸出支援策を提案した。
技術競争力が優秀な日本の自動車や機械メーカーなどが、
これまで円安でも価格を低くせず収益性を高め、昨年末から価格まで下げる傾向を見せていることから
韓国企業が打撃を受ける恐れがあると言う分析だ」
ここへきて、韓国企業は日本企業の有効性に神経を使っている。
円安を武器に、日本企業はたっぷりと利益を上げてきた。
研究開発費も惜しげもなく投入している。
これが、さらなる日本企業の競争力を磨いていく。
今後は、円安分の価格引き下げを行い、韓国製品市場へと食い込んでくる。
ここでは、そういう警戒心を出している。
日本企業は完全に自信を取り戻した。
従来の慢性的な円高基調から解き放たれて、過去に失ったマーケットシェアを取り戻す動きが
始まっても不思議はない。
韓国は、日本企業の「大攻勢」開始に怯えているのだ。
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