最終更新日 2020年5月17日日曜日 14:15:14
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【銀行デジタル革命】101直接発行型は超管理社会を生む?

一方、直接発行型は、銀行預金制度との併存ではなく、

中央銀行デジタル通貨口座が銀行預金口座に徐々にとって変わっていくと言う

発想に基づいていると考えられます。 

民間銀行仲介型のデメリットとして、預金者が突然銀行預金を引き出して、

中銀デジタル通貨に交換しようとしたときに銀行が破綻する可能性を上げましたが、

直接発行型の下で銀行預金が徐々に縮小していくのであれば、そうした事態が起こりにくくなります。 

直接発行型の大きなメリットは、銀行が流動性危機に陥る可能性が低下し、

金融システムの安定感が高まることです。

しかし、課題もあります。 

直接発行または現在のような現金の供給方法とは異なり新しい試みであるため、

それが、民間銀行の業務全体に与える影響が不透明なことです。

銀行預金が縮小していけば、銀行の重要な役割である信用創造機能が失われる可能性があります。

また、企業から個人まですべての預金者が新たに改正する膨大な中央銀行口座を

厳密に管理することが可能かといった、技術的な問題も生じると思われます。

取引情報の取り扱いの問題も出てくるでしょう。

直接発行型の場合、その運営方法にもよりますが、

個人や企業の中銀デジタル通貨を使った取引決済の履歴は、すべて中央銀行が入手することになります。

個人が現金、銀行預金、その他の決済手段から、中銀デジタル通貨を使った決済に

完全に移行すると、すべての取引履歴を中央銀行に把握されてしまいます。 

これは超管理社会呼びたくなるような状態でしょう。

取引履歴の情報を税務当局と共有するか否かといった、かなり難しい問題も生じてきます。

中銀デジタル通貨は、このような問題に十分に配慮しながら、

発行の枠組みを慎重に考えていくことが求められます。 

中でも個人や企業の取引履歴情報が中央銀行に集中してしまうと言う問題点を

考えれば、民間銀行仲介型の方が、世論の反発が少ない現実的な方法ではないでしょうか。

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【銀行デジタル革命】100民間銀行仲介型のデメリット—危ない銀行から資金が急シフト

2つのタイプにはそれぞれメリットとデメリットがあります。

まず、民間銀行仲介型です。

これには、一度銀行の信用不安が起こり、一気に銀行経営や金融システムを

不安定にしてしまうリスクがあると言うデメリットがあります。 

中央銀行デジタル通貨を使って多くの決済ができるようになれば、

預金者は決済目的で一定額のデジタル通貨を専用口座に置いておき、

資産運用(貯蓄)目的で一定額の銀行預金を持つと言うふうに使い分けることになるでしょう。

その場合、口座を持つ銀行の信用不安が高まり、

預金者は銀行預金を安全なデジタル通貨専用口座移動しようと考えるはずです。

銀行預金は銀行にとっての責務で、銀行が破綻すれば預金者には

全ては戻ってこない可能性がありますが、中銀デジタル通貨は中央銀行の責務ですから、

そのような事は起こりません。

デジタル通貨口座への資金逃避は要するに銀行の取り付け騒ぎと同じ事ですが、

実際の店舗での取り付け騒ぎのように預金者が押し寄せて預金を取り崩し、

大量の現金を持ち帰るようなことにはなりません。 

銀行預金からデジタル通貨専用口座への資金移動は簡単にできるため、

取り付けは急速に進むと想像できます。

そこでもし、銀行が持っている中央銀行当座預金が充分でない場合には、

顧客が求めるデジタル通貨を中央銀行から調達することができなくなります。 

銀行は支払いができなければ「流動性危機に陥った」と言う格好で破綻します。

その時中央銀行は、破綻を回避するためその銀行へ緊急の資金供給をするかもしれません。

それでも経営危機に陥る銀行が一行でも現れると、

銀行システム全体の信頼性が低下し、経済社会に大きな混乱が生じるでしょう。 

預金者には、自分が預金している銀行が経営不安に陥ったら、

他の安全な銀行に預金を移すと言う手もあるものの、

そうした場合には銀行全体の不信感を強め、デジタル通貨への

資金逃避の方を選ぶのではないでしょうか。

民間銀行仲介型は、預金金利をめぐる悩ましい問題も抱えています。

中央銀行が中銀デジタル通貨に金利をつける場合、

中銀デジタル通貨の金利が銀行が決める預金金利より高くなると、

資金が預金から中銀デジタル通貨に移り、やはり銀行経営を不安定にしてしまう

可能性があります。 

中銀デジタル通貨の金利と預金金利をいかに適切に設定するかは、

民間銀行仲介型の重要な課題なのです。 

民間銀行仲介方にはメリットもあります。

このやり方は、銀行制度との併存が前提になって設計されていると考えられます。

そのため、後にも述べますが、銀行の信用創造機能が維持されます。

それは企業や個人が現在の経済活動を続ける上ではスムーズな形といえます。

逆に直接発行型では銀行の信用創造機能が失われる可能性が高く、

そうした経済システムはどのようにどのようなものになるか、見通しがつきにくい面があります。

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【銀行デジタル革命】99中央銀行デジタル通貨は金融をどう変えるか、民間銀行仲介型と直接発行型

中央銀行デジタル通貨が金融をどう変えるかを考えてみましょう。

その前に中央銀行デジタル通貨とはどのようなものかもう一度確認します。

中央銀行が発行するデジタル通貨には、既に見た口座形態の場合には、

大きく2つのタイプが考えられます。 

1つは、民間銀行を介して間接的にデジタル通貨を供給する民間銀行仲介型です。

そこでは、デジタル通貨の流れは次のようになります。

 民間銀行は中央銀行当座預金を取り崩す形で、中央銀行からデジタル通貨を入手し、

保有しておきます。 

一方、個人は個人や企業は取引銀行デジタル通貨専用の口座を開設し、

預金口座から専用口座に資金を切り替える(チャージする)形でデジタル通貨を入手します。

この方式は現在、人々が現金を入手する仕組みと基本的には同じです。

どうするかと言うと、

日常民間銀行が中央銀行が当座預金を取り崩す形で中央銀行から現金を入手し、

顧客はATMなどで預金口座からその現金を引き出しているわけです。

2つ目のタイプは、中央銀行が利用者に直接デジタル通貨を発行する直接発行型です。

この場合、すべての個人、企業は中央銀行にデジタル口座のデジタル通貨の口座を開設し、

その口座を利用して決済を行います。 

個人は、銀行預金口座から振り込むなどの形で、このデジタル通貨口座の残高を増やすことができます。

将来的には、この口座が銀行預金口座の機能に取って変わるようになるかもしれません。

その場合には、給料は企業が中央銀行に持つデジタル通貨口座から

個人のデジタル通貨口座に振り込まれ、政府からの社会保障給付も、

政府が中央銀行に持つデジタル通貨口座から個人のデジタル通貨口座に振り込まれるようになります。

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【銀行デジタル革命】98利用者はe-kronaをどうやって保有するか

デジタル通貨には、銀行預金口座とは別に個人がデジタル通貨口座を持つ口座形態で発行するか、

より現金に近い形のデジタル形態で移転可能なユニットの形(分散型)、

つまり電子マネーのように銀行預金からチャージして持ち運ぶ形を取るかと言う

選択肢があります。

口座形態の場合には、その口座を中央銀行に置くか、銀行などそれ以外の選択肢もあります。

その口座を中央銀行に置く場合は、中央銀行当座預金に近い形となります。 

e-kronaがそれを選択した場合、残高必要に応じて敏感に変動することになりますが、

それには、リクスバンクの短期金利操作を難しくさせてしまう可能性があります。

他方、e-kronaを分散型として、チャージしてからスマートフォンなどで使う場合には、

銀行預金と紐付いていないことから個人が特定されず、

マネーロンダリングやテロ資金対策規制の要請に応えることができるか、

e-kronaのコピーや偽造防止できるかと言う課題が生じます。 

他にも、e-kronaを市民に直接発行するか、民間銀行を介して間接的に供給するか

と言う選択肢は、個人や企業が口座に保有するe-kronaに金利を付けるか

どうかの選択肢があります。

これらについては中央銀行デジタル通貨共通の課題であり、次節で検討します。

e-krona導入までのスケジュールですが、リクスバンクはe-krona発行の是非の議論を、

技術、政策、法律の3分野で今後数年の歳月を費やして検討する予定です。

e-kronaのベースとなる技術は集中型、分散型あるいは双方の組み合わせ方も含めて

検討されます。

e-kronaの授受を、磁気カードやスマートフォンなど、どのような形態とするかについても検討し、

最終的にe-kronaの発行が支払い決済システムの安全性、

合理性に寄与すると判断した時点で実際のシステム構築に着手します。 

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【銀行デジタル革命】97名前はe -krona

一方、改めて記すまでもなく、電子的な決済手段が多く登場する中、

現金決済は時代遅れとなりつつあります。

インターネットが普及し、コンピュータやスマートフォン、タブレットなどの端末を

持つ人が多数を占めるようになったことから、

電子的な決済手段を導入する環境はかなり整っています。

ITインフラの普及と民間企業の電子決済サービスの普及も、

リクスバンクのデジタル通貨構想を後押ししました。 

あるいは、リクスバンクのお尻に火をつけたと言う事かもしれません。

リクスバンクは構想中のデジタル通貨の名前をe-kronaに決定しました。 

将来、e-kronaを発行した場合でも、位置づけは現金の保管であり、

現金の流通を廃止したり、紙幣や貨幣の製造を中止したりすることはありません。

リクスバンクは現金を発行する法的義務を負っています。

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【銀行デジタル革命】96現金需要の減退への対応

今述べたようにスウェーデンでは現金の利用が急速に減少しています。

現金流通額の対名目GDP比率は減少の一途をたどり、

1950年代の10%弱から2015年には1.8%まで低下しました。

この数字だけでは日常生活でどれほど現金利用が少なくなっているのか判然としませんが、

リクスバンクの継続的に実施しているアンケートでは、

回答者で調査前の最後の支払いに現金を利用した人の割合は、

2010年調査の約40%から2016年9月の調査では15%に減っており、

現金需要の急速な減退を裏付けました。 

「スイッシュ」と呼ばれる民間銀行が開発したモバイル決済が急速に普及し、

住民の半数以上が利用しています。

現金の流通が滞れば、生活に支障をきたす人々が出てくる恐れがあります。

事実、地方在住者やITサービスに不慣れな高齢者から、

行き過ぎたキャッシュレス化に対する批判が強まりました。 

民間のサービスは、採算が取れない地方ではインフラを整備しない選択肢を持ち、

サービスを利用する顧客の利便性しか考えない傾向があります。 

それに対し、中央銀行のサービスには全国一律のインフラ整備が求められ、

金融包摂の観点からもすべての住民が利用できることが前提条件となります。

中央銀行によるデジタル通貨発行が議論される背景には、

民間のサービスと公的サービスの目的や使命の違いがあります。

半面、現金需要の減退は、決済システムにおける中央銀行の存在感や、

中央銀行の収入であり、保有する資産の利子収入などから生まれる通貨発行益(

シニョレッジ)を低下させると言う問題も生じさせます。 

この点は次節後半で詳しく検討します。

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【銀行デジタル革命】95スウェーデンに見る近未来通貨、キャッシュレス先進国

北欧では諸外国と比べ、キャッシュレスの動きが顕著です。

現金の流通に大きなコストがかかっていることや、

現金にには犯罪に利用されやすいなどの欠陥がある事は第4章で指摘しましたが、

北欧の人々の間では、キャッシュレス化にはその他にも大きなメリットがあると理解されています。

経済社会における様々なコスト削減や能率性向上、犯罪対策、脱税対策もそうです。

またIT利用を志向する社会的傾向があること、政府、中央銀行が現金流通コストの削減のために

キャッシュレス化を推進する政策を実施してきたことから、それが顕著に進んだのです。

福祉大国のスウェーデンでは付加価値税(VAT)率が25%と他国と比べて

かなり高いことがよく知られていますが、

政府は長期間にわたり付加価値税の課税回避に頭を悩ませており、

かつて、小売店に売り上げ情報を政府に自動で伝える装置をレジスターに設置することを義務づけました。

それほど脱税対策に苦慮しており、それがキャッシュレス化推進の大きな誘因になりました。 

電子決済では取引履歴が全て記録され保管されるため、不正を働くのが難しいからです。

スウェーデン政府は寄付をクレジットカードで受け取れる機器をホームレスの人たちに付与しています。

多くの教会もカード読取機を設置し、寄付金もクレジットカードで受領できるようになっています。 

民間銀行の多くが、経費節減や強盗防止のために店舗での現金保有やATMを廃止していた経緯もあります。

一方、中央銀行であるリクスバンクも、銀行券発券業務のコスト削減の観点から

キャッシュレス化を強く推進してきました。 

2015年10月から翌年6月までに銀行券と貨幣の切り替えを実施しましたが、

製造、輸送、管理コスト削減のため、サイズを縮小したり軽量化を図ったりしています。

このようにしてキャッシュレス化が顕著に住み、

それを背景に銀行デジタル通貨発行の議論が始まりました。

リクスバンクは現在のところ、世界の主要中央銀行中で中央銀行デジタル通貨について

最も具体的な構想を持っています。

その詳細は2016年11月にセシリアスキングレー副総裁が明らかにしています。 

同副総裁の講演録の要約を参考に、リクスバンクのデジタル通貨構想を概観していきましょう。

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【変見自在888】コロナ効果

カーター政権の財務長官マイケルブルーメンソールは1926年、

ベルリンの北郊ブランデンブルグ市で生まれた。

ユダヤ系の父母は高級服飾店を営んでいたが、彼が10歳の時に一家の環境は大きく反転した。

台頭したナチスはユダヤ人排斥を強め、38年11月の月の明るい夜、

ゲッペルスの突撃隊が267カ所のシナゴーグを打ちこわし、

7500軒のユダヤ人商店を襲って略奪した。 

両親の店も破壊され、彼自身もヒトラーユーゲントの少年に暴行された。 

一家は故郷を捨てて命からがらナポリ発の貨客船に逃げ込んだ。

船はスエズを超え、英領のボンベイ、コロンボ、シンガポールに寄港した。

その都度、下船を望んだが、どこもユダヤ人の上陸は認めなかった。 

一家がナポリを出たの出たのと同じ頃、ハンブルグから2000人のユダヤ人を乗せた

セントルイス号が出港した。

しかし目的地の米保護領キューバは上陸を拒み、ニューヨークでは接岸すら許されなかった。

1ヵ月の漂流のあげく、船は欧州に戻り、何人かはベルギーで下船できたものの、

まもなくナチがそこを占領して、乗客のほとんどは強制収容所に送られた。

しかしブルメンソールの船は幸運だった。 

航路の終点、上海でユダヤ人は下船することができた。

日本人租界、虹口はビザを持たない彼らの居住も認めてくれた。 

虹口からガーデンブリッジを渡った先のバンドにはアヘン貿易で儲けた

サッスーンやジャーディンマセソンなどユダヤ財閥のビルが立ち並ぶ。

彼らは中東のセム系ユダヤ人(セファルディ)で、白人系ユダヤ人(アシュケナージ)には冷たかった。

実際、パレスチナに逃れてきたアシュケナージは上陸を断られ、ときには射殺された。

彼らを受け入れたのは関東軍が率いる満州国か上海の日本人租界だけだった。

そこに身を寄せたのは約3万人。

ブルメンソールはそれほどの僥倖を噛み締めて虹口の主要施設となった旧日本人学校に入った。

やがて戦争が終わり、一家は上海を出られることになったが、ユダヤ人はどこでもダメ。 

2年待ってやっと米国が入国OKを出した。

驚いたことに民主党政権下の米国では、親切だった日本人が支那人より悪い侵略者とされていた。

日本人の世話で生き延びた。 

などと言える環境ではなかった。

賢しいブルメンソールは素早く良い日本を自分の記憶から切って捨てた。

実際、米民主党は戦後も日本を敵視し、戦前と同じように、

それが共産党政権になろうとも、支那人を使って日本の抑え込みを続けた。 

中共は米国がこしらえた南京大虐殺の嘘話に乗っかって日本人に贖罪を迫り、

ODAと技術援助を引き出して半分近代化に成功した。 

それは米国には格好の奴隷工場に見え、企業は続々と支那に進出し、

米支の結びつきは蒋介石時代ほどに強まった。

その一翼を担い、名をあげたブルメンソールはつい先年、中共の招きで久しぶりに上海訪れた。

今は「上海ユダヤ難民記念館」の名を改めた虹口の日本人学校で彼は

「日本は残忍だった」「親切だった支那の友人の恩を忘れない」とあいさつした。 

恥を知らない男だった。 

武漢ウィルスが流行って、イスラエルは米国と並ぶ支那との往来を断ち切った。

そしたら戴玉明駐イスラエル代理大使が「私は悲しい。

ホロコーストの中でユダヤ人を受け入れてやった支那にこんな冷たい扱いをするのか」

(隔月誌「みるとす」)と記者会見でその薄情を非難した。

イスラエルはそれまでグルメンソール的発言を特に否定してこなかったが、

今回は違った。

「何を言う。 ユダヤ人を助けたのは日本人だ」「上海は日本が管理していた。

歴史を捏造するな」(同)代理大使は公式ホームページで捏造の部分を削除した。

コレラは時に歴史歪曲を正す働きもする。

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【銀行デジタル革命】94中央銀行デジタル通貨とは

中央銀行デジタル通貨とは、政府がその効力を保証して中央銀行が発行する、

信用力が極めて高い法定デジタル通貨のことです。

それは法定通貨建て、つまり日本では円建てで発行されます。

既に見た仮想通貨は円等法定通貨との換算レートが大きく変動するため

決済手段としての利用は限られていますが、中央銀行デジタル通貨には

そのような欠点はありません。 

邦銀にによる独自のデジタル通貨は、銀行が発行主体となりますが、

完全に円と一対1で交換できるかどうかわかりませんし、

その銀行が破綻した場合にはその価値をしなってしまう可能性もあります。

しかし中央銀行が破綻する事はありませんから、その危険性もありません。

一般に、中央銀行がデジタル通貨の発行を真剣に検討し始めるきっかけとなるのは、

小口決済の手段として仮想通貨が普及して現金を代替し、

中央銀行の金融政策の有効性を低下させたり、

その利用から排除される高齢者や低所得者等を救済する、

いわゆる金融包摂のか必要が生じたりすることだと考えられます。

次節に詳述しますが、中央銀行の中で、デジタル通貨の発行に最も積極的であり

議論が進んでいるのはスウェーデンのリクスバンクです。 

前述の通り、スウェーデンではキャッシュレス化が進み、

現金流通額の名目GDP比率は2015年時点で1.8%まで低下しています。

そのため、広い意味でのデジタル通貨の信頼性を高め、すべての人々が安心して

電子決済を利用できるようにするためには、中央銀行デジタル通貨発行の必要性が

高まっているのです。

これに対し、米国の現金流通額の名目GDP比率は7.4%と比較的高い水準を維持しています。

FRBがデジタル通貨発行の検討を始めたと言う観測が衝撃を持って受け止められたのは、

米国はスウェーデンのようにその必要に迫られているとは言えず、

検討開始はかなり先のことであろうと予想されていたからです。

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【銀行デジタル革命】93FRBもフェドコイン発行を検討?

一方、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が

デジタル通貨の発行を検討しているとの観測もあります。 

きっかけとなったのは、2017年11月に「ウォールストリートジャーナル」紙が報じた

ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムダドリー総裁(当時)発言です。 

同氏は「FRBによる仮想通貨の供給について話すには尚早だが、

われわれはそれについて検討している」との発言を掲載し、

FRBがデジタル通貨発行の検討が始まっている可能性を示唆したと伝えました。 

また、ダドリーニューヨーク連邦準備銀行総裁の後任に指名された

サンフランシスコ地区連邦準備銀行のジョンウィリアムズ総裁(当時)も同じ日に、

中央銀行デジタル通貨の発行が今後10年にわたり非常に刺激的な(研究)分野)」に

なるとの見通しを示したとも伝えました。 

中央銀行デジタル通貨の発行に慎重姿勢とみなされてきたFRBが

発行を検討しているとの報道は、世界各国の中央銀行にとっては、

ウルグアイの事例以上の大きな衝撃だっただろうと思います。

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